法律実務のパートナー
ジュリスト 2020年10月号(No.1550)
2020年09月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
2019年に成立した独占禁止法の改正は,2020年12月25日に施行されることになりました。改正に関連する規則改正も出揃い,実務上も影響の大きい法改正がいよいよスタートします。今号の特集では,改正の柱となる課徴金の算定期間や算定基礎の拡大,調査協力減算制度,さらには判別手続といった点を中心に,改正内容やその意義について多角的に分析します。
【特集】令和元年独占禁止法改正の論点
◇令和元年独占禁止法改正の概要●白石忠志……14
◇課徴金算定基礎の追加●池田 毅……17
◇算定期間の延長等●大東泰雄……24
◇調査協力減算制度(7条の5)●長澤哲也……30
◇依頼者秘匿特権●多田敏明……36
◇課徴金制度全体をめぐる考え方●伊永大輔……43
[会社法判例速報]
議決権行使代理人資格の制限と弁護士――札幌高判令和元・7・12●弥永真生……2
[労働判例速報]
給与ファクタリングと労基法24条1項――給与ファクタリング事件――東京地判令和2・3・24●橋本陽子……4
[独禁法事例速報]
マイナミ空港サービスに対する件――11年ぶりの排除型私的独占事件――公取委命令令和2・7・7●柏木裕介……6
[知財判例速報]
不正競争防止法上の品質等誤認表示――八ッ橋事件――京都地判令和2・6・10●田中浩之……8
[租税判例速報]
外国法人のスピンオフにより取得した株式が所得税法24条1項の配当所得にあたるとされた事例――国税不服審判所裁決令和元・8・1●柴 由花……10
[海外法律情報]
◇ドイツ―働かざるもの食うべからず?●石塚壮太郎……49
◇アメリカ― 一定の連邦職員への有給親休暇の導入●中川かおり……77
[国会概観]
第201回国会の概観(上)●山岸健一……81
[Information Lounge]
国際規格ISO31022誕生と経営法務の展望●渡部友一郎●岩間郁乃●染谷隆明……94
[時論]
オンライン・プラットフォーム免責規定の見直しを命ずるトランプ大統領の行政命令●平地秀哉……96
[連載/裁判手続とIT化の重要論点]〔第7回〕
証人尋問等におけるウェブ会議等の利用●青木 哲……63
[連載/弁護士のための租税法務]〔第10回〕
所得税と相続税との関係●橋本 彩……70
[連載/パンデミックと法実務]〔第4回〕
◇パンデミックによる事情変更と契約の改訂●石川博康……50
◇新型コロナウイルス感染症に係る租税分野の対応と残された国際課税上の問題●錦織康高●伊藤剛志……56
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第36回・完〕
英国のEU離脱と著作権法への影響●今村哲也……78
[連載/BOOK TERRACE]
紀伊國屋書店梅田本店……80
[最高裁時の判例]
民事
◇共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく潮受堤防排水門の開門請求を認容する判決が確定した後,当該確定判決に係る訴訟の口頭弁論終結時に存在した共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく開門請求権が消滅したことのみでは当該確定判決に対する請求異議の事由とはならないとされた事例――最二小判令和元・9・13●笹本哲朗……102
刑事
◇覚せい剤譲渡の約束に基づき支払われた代金全額が「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」2条3項にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」に当たるとされた事例――最二小判令和元・12・20●内藤恵美子……107
[経済法判例研究会]
系統外出荷制限における市場閉鎖効果が問題になった事件――土佐あき農協事件――東京高判令和元・11・27●隅田浩司……112
[商事判例研究]
◇未公開株投資とファンドマネージャー及び投資一任業者の責任――東京高判平成30・9・20●田澤元章……116
◇瑕疵担保免責特約を排除する法人売主の悪意――東京地判平成29・10・27●星 明男……120
◇粉飾決算に関する取締役に対する損害賠償請求――東京高判令和元・5・16●尾高秀明……124
[労働判例研究]
◇育休終了後の有期契約への変更合意・雇止めの適法性等――ジャパンビジネスラボ事件――東京高判令和元・11・28●日原雪恵……128
◇職務遂行能力の不足等を理由とする賃金減額・賞与減額の適法性――キムラフーズ事件――福岡地判平成31・4・15●皆川宏之……132
[租税判例研究]
消費税法上の「課税仕入れを行った日」の解釈――東京地判平成31・3・15●漆 さき……136
[渉外判例研究]
日本法上の方式による協議離婚の無効確認事件の国際裁判管轄――東京高判平成30・7・11●竹下啓介……140