法律実務のパートナー
ジュリスト 2019年8月号(No.1535)
2019年07月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
利用率がなかなか上がらない国際仲裁や調停。しかしグローバル経済が加速する昨今,日本政府が骨太の方針において,国際仲裁の活性化に言及したり,日本商事仲裁協会が国際商事仲裁の利便性を高めるための仲裁規則の改正を行ったり,さらには京都に新たな国際調停センターがオープンするなど,日本の国際商事仲裁・調停をめぐる動きが活発化している。本特集では,日本のこれからの国際商事仲裁・調停の飛躍の扉をひらく鍵を,様々な角度から探ります。
さらに,Hot issueでは,「企業内法務の展望と戦略」と題し,企業内弁護士のあり方や組織論など,変化の激しいビジネス環境における企業法務の役割を考えます。
【特集】国際商事仲裁・調停の展望
◇特集にあたって●道垣内正人……14
◇国際商事仲裁の現状●松井信憲……16
◇日本商事仲裁協会仲裁規則の改正とその意義●垣内秀介……22
◇Ragan神話の誕生と終焉――実務家から見た国際商事仲裁●古田啓昌……29
◇知財紛争処理における国際仲裁の役割●篠原勝美……35
◇国際商事調停の現状●岡田春夫……41
[HOT issue]〔No.24〕
企業内法務の展望と戦略●奥邨弘司●片岡詳子●北島敬之……ⅱ
[会社法判例速報]
議決権行使拘束契約の有効性――東京地判令和元・5・17●弥永真生……2
[労働判例速報]
労働協約により支払が猶予された賃金債権の放棄と弁済期――平尾事件――最一小判平成31・4・25●水町勇一郎……4
[独禁法事例速報]
農協による拘束条件付取引が認められた判決――土佐あき農協事件――東京地判平成31・3・28●石井 崇……6
[知財判例速報]
明確性要件――知財高判平成31・4・12●黒田 薫……8
[租税判例速報]
調整池に供されている土地の宅地該当性――最三小判平成31・4・9●髙橋祐介……10
[連載/相続と法実務]〔第5回〕
相続させる旨の遺言と相続法の改正●水野 謙……65
[連載/新時代の弁護士倫理]〔第8回〕
◇共同事務所●髙中正彦●石田京子●石原 修●桑山 斉……72
◇事務所を共同するということ●手賀 寛……87
◇社会現象としての弁護士倫理●飯 考行……88
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第22回〕
これだけはやっておきたい,スタートアップに必須の知財対応5つ●平林健吾……62
[Information Lounge]
新たに始まる知財調停手続について●三井大有……90
[最高裁時の判例]
民事
◇刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律79条1項2号に該当するとして保護室に収容されている未決拘禁者との面会の申出が弁護人又は弁護人となろうとする者からあった場合に,その申出があった事実を未決拘禁者に告げないまま,保護室に収容中であることを理由として面会を許さない刑事施設の長の措置が国家賠償法1条1項の適用上違法となる場合――最一小判平成30・10・25●笹本哲朗……92
刑事
◇不正競争防止法(平成27年法律第54号による改正前のもの)21条1項3号にいう「不正の利益を得る目的」があるとされた事例――最二小決平成30・12・3●久禮博一……96
[経済法判例研究会]
顧客奪取行為に関する不当な取引妨害(一般指定14項)の適用の可否と公正競争阻害性――東京地判平成30・5・10●隅田浩司……100
[商事判例研究]
◇追証を誤振込した銀行による建玉の強制決済に係る損害の賠償――東京高判平成28・9・14●田澤元章……104
◇仮想通貨取引所運営会社破産時における顧客の取引所口座債権――東京地判平成30・1・31●得津 晶……108
◇破産手続開始の4年以上前の売買の詐害行為否認を認めた事例――東京地判平成28・7・20●タンマピタック・スィーヌット……112
[労働判例研究]
◇通算雇用期間の上限を理由とする雇止めの適法性――高知県立大学後援会事件――高知地判平成30・3・6●香川孝三……116
◇退職時の特約に基づく守秘義務の意義と義務違反の判断基準――エイシン・フーズ事件――東京地判平成29・10・25●野川 忍……120
[租税判例研究]
個人が法人へ非上場株式を譲渡した場合のみなし譲渡課税(配当還元方式適用の可否)――東京高判平成30・7・19●渡辺徹也……124
[渉外判例研究]
プロ野球選手契約交渉の破棄に基づく損害賠償請求権の準拠法――仙台地判平成30・9・26●岩本 学……128