法律実務のパートナー
ジュリスト 2024年6月号(No.1598)
2024年05月24日 発売
定価 1,760円(本体 1,600円)
電子書籍版はこちら(2012年1月号~)
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近年,サステナビリティ経営に対する意識が高まる中,企業には非財務情報に関する開示が要請され,これらの情報が企業価値を大きく左右するようになってきました。特集1では,環境や人的資本といったサステナビリティに関する情報開示について,実務での取組みや法制度上の位置付けを示すとともに,開示をめぐる課題や今後についても検討を加えます。特集2では,昨年の第212回臨時国会で成立した官報電子化法,また,法制事務のデジタル化を取り上げました。本法律制定までの背景や意義を紹介するとともに,法制事務のデジタル化に向けての取組みや課題も取り上げ,DX化の展望を示します。
【特集1】企業の開示をめぐる問題――サステナビリティ情報開示の現在
◇サステナビリティ開示の現況…松井智予……14
◇〔座談会〕サステナビリティ開示の実務・現状と今後の見通し…松井智予(司会)/井口譲二/木下潮音/田井中克之……18
◇サステナビリティ情報開示をめぐる問題――金商法開示の視点から…松元暢子……37
◇サステナビリティ情報開示の現在――労働法の視点から…小畑史子……43
◇企業の開示をめぐる問題――環境法の視点から…勢一智子……49
【特集2】官報電子化法・法制事務のデジタル化
◇官報の発行に関する法律の解説…田中裕太郎……56
◇官報電子化法の理論的意義…原田大樹……62
◇法制事務のデジタル化の到達点と展望…米田憲市……69
[会社法判例速報]
技術的基準に適合しない子会社製品の出荷等に係る親会社取締役の責任(大阪地判令和6・1・26)…舩津浩司……2
[労働判例速報]
時季変更権行使の適法性判断における恒常的な要員不足の意義――JR東海(年休)事件(東京高判令和6・2・28)…橋本陽子……4
[独禁法事例速報]
石油コンビナートにおけるカーボンニュートラルに向けた共同行為(公取委令和6・2・15発表)…雨宮 慶……6
[知財判例速報]
商品画像の盗用を理由とするECプラットフォームに対する著作権侵害申告と虚偽事実の告知(大阪高判令和6・1・26)…小林利明……8
[租税判例速報]
外国子会社合算税制における特殊関係非居住者の意義と限定解釈の可否(東京地判令和5・3・16)…堀内健司……10
[連載/SDGsと経済法]〔第4回〕
SDGsと競争法の正当化,適用除外(3)――単独行為について…土佐和生……76
[連載/海外進出する企業のための法務]〔第14回〕
複雑化する国際税務リスクへの対応…河野良介……90
[時論]
◇司法文書管理の現状と課題――少年事件記録廃棄問題を契機として…村上裕章……82
◇大学改革と大学の自治――令和5年国立大学法人法改正による組織変更の分析…徳本広孝……98
◇ニュースプラットフォームと競争政策…武田邦宣……110
[新法の要点]
令和5年金融商品取引法等の改正――顧客本位の業務運営,四半期報告書の見直し,デジタル化への対応…松尾健一……104
[書評]
◇江頭憲治郎著『続・会社法の基本問題』…仲 卓真……88
◇原田悠希著『社会保障制度における社会手当の成立・展開過程――中央地方関係の視点から』…片桐由喜……96
[海外法律情報]
◇フランス―人工妊娠中絶の自由を明記する憲法改正…齊藤笑美子……89
◇英国―国王演説とスナク政権の行方…田中嘉彦……97
[最高裁時の判例]
民事
◇憲法53条後段の規定により国会の臨時会の召集を決定することの要求をした国会議員は内閣による上記の決定の遅滞を理由として国家賠償請求をすることができるか(最三小判令和5・9・12)…志村由貴……117
刑事
◇農地の売買契約が締結されたが,譲受人の委託に基づき第三者の名義を用いて農地法所定の許可が取得され,当該第三者に所有権移転登記が経由された場合において,当該第三者が当該土地を不法に領得したときの横領罪の成否(最二小判令和4・4・18)…根崎修一……122
[経済法判例研究会]
ゲーム市場において企業結合の影響が判断された事例――マイクロソフト/アクティビジョン統合事案(公取委令和5・3・28発表)…若林亜理砂……127
[商事判例研究]
◇設立時発行株式の帰属先が争われた事例(東京地判令和3・1・28)…加藤貴仁……131
◇事業協同組合における理事の任務懈怠責任――利益相反性が認められる取引と善管注意義務違反(東京地判令和3・8・30)…小林俊明……135
◇株主意思確認総会の判断を経た買収防衛策の差止めの可否(東京高決令和3・8・10)…志田沙央理……139
[労働判例研究]
◇変形労働時間制を採用している事業所における使用者の時季変更権の行使の適否――JR東海(年休)事件(東京地判令和5・3・27)…高橋奈々……143
◇定年後嘱託職員と正規職員の待遇差のパート有期法違反該当性――社会福祉法人紫雲会事件(宇都宮地判令和5・2・8)…古賀友晴……147
[租税判例研究]
「立替金精算払」の「人的役務の提供に係る対価」該当性(東京地判令和4・9・14)…鈴木悠哉……151
[渉外判例研究]
ハーグ条約実施法に基づく子の返還の間接強制申立てを不適法とした事例(最三小決令和4・6・21)…織田有基子……155