法律実務のパートナー
ジュリスト 2024年2月号(No.1593)
2024年01月25日 発売
定価 1,760円(本体 1,600円)
電子書籍版はこちら(2012年1月号~)
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GDPR(EU一般データ保護規則)が施行されてから5年が経過しました。EU国内のみならず,国外の企業にも大きな影響を与えている同規則はこの間どのような役割を果たしてきたのでしょうか。本特集では,GDPR施行後生じている個人情報保護法制に関する国内外の動向を解説し,データの保護と利活用に向けた展望を示します。連載「実践 知財法務」は今号が最終回です。連載を締めくくるテーマは「知財法務総括」。いずれも是非ご注目ください。
【特集】GDPRをめぐる動き
◇GDPRの執行状況とEDPBの活動状況――GDPRの施行から5年の軌跡…岡田 淳……14
◇欧州司法裁2023年7月4日判決の検討――ドイツカルテル庁のデータ収集制限命令を認めた事例…市川芳治……20
◇日EU第二次十分性認定・韓EU十分性認定…寺田麻佑/孫 亨燮……26
◇欧米データ・プライバシー・フレームワーク…斉藤邦史……34
◇GDPRとEUのデジタル政策…小向太郎……40
[会社法判例速報]
キャッシュマネジメントシステム参加会社による募集株式発行における仮装払込み(東京地判令和5・10・16)…舩津浩司……2
[労働判例速報]
グループホーム職員の夜勤時間帯の労働時間性と割増賃金請求権――社会福祉法人A事件(千葉地判令和5・6・9)…橋本陽子……4
[独禁法事例速報]
映画館運営会社による配給先の制限に関する確約計画の認定事例(公取委令和5・10・3発表)…籔内俊輔……6
[知財判例速報]
幼児用椅子の商品等表示該当性・著作物性(東京地判令和5・9・28)…黒田 薫……8
[租税判例速報]
希少車両の「使用又は期間の経過により減価する資産」該当性(東京地判令和5・3・9)…武田涼子……10
[連載/海外進出する企業のための法務]〔第10回〕
国際社会で通ずる「ビジネスと人権」の取組の構築――ドイツ サプライチェーン・デュー・ディリジェンス法を題材に…石田明子……48
[連載/実践 知財法務]〔第28回・完〕
知財法務総括…奥邨弘司……56
[時論]
◇辺野古基地訴訟の基本構造…中嶋直木……65
◇自衛隊法80条と統制要領下での海上保安庁の任務遂行における安全確保…兼原敦子……72
[書評]
◇松本博之著『民事訴訟における釈明・指摘義務――法的審問請求権の保障と訴訟関係の明確化』…上田竹志……47
◇碓井光明著『固定資産税評価精義』…佐藤英明……55
[海外法律情報]
◇スウェーデン―「ダンス許可」を廃止する法律…井樋三枝子……54
◇タイ―拷問等禁止・強制失踪防止条約の国内法化と捜査の可視化…今泉慎也……64
[最高裁時の判例]
民事
◇事件が一人の裁判官により審理された後,判決の基本となる口頭弁論に関与していない裁判官が民訴法254条1項により判決書の原本に基づかないで第1審判決を言い渡した場合において,全部勝訴した原告が控訴をすることの許否(最二小判令和5・3・24)…能登謙太郎……78
◇1.遺言執行者は,共同相続人の相続分を指定する旨の遺言を根拠として,平成30年法律第72号の施行日前に開始した相続に係る相続財産である不動産についてされた所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えの原告適格を有するか/2.相続財産の全部又は一部を包括遺贈する旨の遺言がされた場合における,上記の包括遺贈が効力を生じてからその執行がされるまでの間に包括受遺者以外の者に対してされた不動産の所有権移転登記の抹消登記手続又は一部抹消(更正)登記手続を求める訴えと遺言執行者の原告適格/3.複数の包括遺贈のうちの一つがその効力を生ぜず,又は放棄によってその効力を失った場合における,その効力を有しない包括遺贈につき包括受遺者が受けるべきであったものの帰すう(最二小判令和5・5・19)…鷹野 旭……82
◇生物学的な性別が男性であり性同一性障害である旨の医師の診断を受けている一般職の国家公務員がした職場の女性トイレの使用に係る国家公務員法86条の規定による行政措置の要求は認められない旨の人事院の判定が,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとされた事例(最三小判令和5・7・11)…宮端謙一……86
[経済法判例研究会]
合意形成に深く関与した事業者の課徴金が全額免除された事例――電力カルテル事件(公取委命令令和5・3・30)…渕川和彦……91
[商事判例研究]
◇事業再編目的による株式取得と利益相反取引(東京高判令和4・7・13)…髙橋美加……95
◇従業員の過労死と名目的代表取締役の対第三者責任(東京高判令和4・3・10)…宮崎裕介……99
◇民法改正成立後・施行前にされた根抵当権設定行為の詐害性(東京地判令和3・9・8)…林 彦丞……103
[労働判例研究]
◇契約社員への寒冷地手当の不支給の不合理性――日本郵便(寒冷地手当)事件(東京地判令和5・7・20)…水町勇一郎……107
◇救急外科医に対する配転命令の有効性と就労請求権に基づく就労妨害禁止仮処分の可否――地方独立行政法人市立東大阪医療センター(仮処分)事件(大阪地決令和4・11・10)…石川茉莉……111
[租税判例研究]
グループ内組織再編成に伴う借入れと同族会社の行為計算否認――ユニバーサルミュージック事件(最一小判令和4・4・21)…吉村政穂……115
[渉外判例研究]
外国人と日本人の離婚裁判と年金分割の請求(横浜家判令和4・5・31)…岩本 学……119
[刑事判例研究]
薬事法(現・薬機法)66条1項と医薬品等の広告規制――医薬品等の効能,効果等に関して虚偽又は誇大な「記事を広告し,記述し,又は流布」する行為が罰せられる根拠と限界(最一小決令和3・6・28)…古川伸彦……123