法律実務のパートナー

ジュリスト　2023年９月号(No.1588)

2023年08月25日　発売
定価 1,760円(本体 1,600円)

2023年10月1日より，消費税法においてインボイス制度（適格請求書等保存方式）が導入されます。これにより，仕入税額控除の要件等が変わり，事業者に広く大きな影響が及びます。本特集では，開始を目前に控えた本制度の意義や内容について解説するとともに，理論的検討を加え，消費税法制を展望します。新法の要点では，令和6年度の施行が予定されているグローバル・ミニマム課税を取り上げました。特集と併せてお見逃しなく。

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【特集】インボイス制度が始まる

◇インボイス制度の実施とその将来像…西山由美……14

◇課税仕入れを巡る問題…藤谷武史……20

◇インボイス制度（適格請求書等保存方式）の概要…染谷浩史……26

◇登録制度と免税点制度…金井恵美子……32

◇インボイス制度と独禁法・下請法・フリーランス法…白石忠志……38

［会社法判例速報］

譲渡制限株式の売買価格と非流動性ディスカウント（最三小決令和5・5・24）…久保田安彦……2

［労働判例速報］

職場トイレの性自認に即した自由な使用を求める措置要求を認めなかった人事院判定の違法性――国・人事院（経産省職員）事件（最三小判令和5・7・11）…竹内（奥野）　寿……4

［独禁法事例速報］

抽象的な情報交換からの「意思の連絡」の推認――シャッター事件（東京高判令和5・4・7）…村上　亮……6

［知財判例速報］

特許権侵害と属地主義の原則――ドワンゴ対FC2システム特許事件（控訴審）（知財高判令和5・5・26）…田中浩之……8

［租税判例速報］

外国芸能法人等に対して支払われた渡航費等に対する源泉徴収の要否（東京地判令和4・9・14）…吉村浩一郎……10

［連載／海外進出する企業のための法務］〔第5回〕

安全保障とビジネス――国家の対立と特定企業の規制…小山隆史……44

［連載／実践 知財法務］〔第23回〕

ファッションデザインと知的財産権…海老澤美幸……50

［新法の要点］

国際合意を踏まえたミニマム課税の法制化…吉村政穂……58

［時論］

同性婚訴訟一審判決の比較検討…白水　隆……66

［判例詳解］

就業規則変更によって導入された手当の割増賃金該当性――熊本総合運輸事件（最二小判令和5・3・10）…池田　悠……74

［書評］

◇小野博司著『近代日本の行政争訟制度』…岡田正則……57

◇中村仁威著『宇宙法の形成』…新谷美保子……73

［海外法律情報］

◇中国―生態系保護法制の新潮流――長江，黄河，青蔵高原…岡村志嘉子……65

◇イタリア―島と憲法――2022年憲法改正とその後の動向…芦田　淳……81

［最高裁時の判例］

民事

◇音楽教室の運営者と演奏技術等の教授に関する契約を締結した者（生徒）のレッスンにおける演奏に関し上記運営者が音楽著作物の利用主体であるということはできないとされた事例（最一小判令和4・10・24）…神谷厚毅……82

◇地方自治法255条の2第1項1号の規定による審査請求に対する裁決について，原処分をした執行機関の所属する行政主体である都道府県は，取消訴訟を提起する適格を有するか（最一小判令和4・12・8）…和久一彦……87

◇健康保険組合が被保険者に対して行うその親族等が健康保険法（平成24年法律第62号による改正前のもの）3条7項各号所定の被扶養者に該当しない旨の通知は，健康保険法189条1項所定の被保険者の資格に関する処分に該当するか（最三小判令和4・12・13）…森田　亮……90

◇離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことの許否（最二小判令和4・12・26）…佐野文規……94

刑事

◇スカート着用の前かがみになった女性に後方の至近距離からカメラを構えるなどした行為が，公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例（昭和37年東京都条例第103号）5条1項3号にいう「人を著しく羞恥させ，人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるとされた事例（最一小決令和4・12・5）…内藤恵美子……97

［経済法判例研究会］

テニスラケットの並行輸入に対する取引妨害（公取委令和4・3・25発表）…河谷清文……101

［商事判例研究］

◇代表取締役の善管注意義務違反の肯定事例――海外進出のための機械購入と自己の報酬増額（東京高判令和3・9・28）…田中　亘……105

◇金融機関による預貯金の払戻し留保の妥当性（東京地判令和4・3・30）…杉村健太……109

◇全部取得条項付種類株式による締出しの効力が争われた事例（京都地判令和3・1・29）…陳　佳茵……113

［労働判例研究］

◇生活保護廃止処分取消請求事件（熊本地判令和4・10・3）…笠木映里……117

◇代理店従業員に対する事業会社の使用者性と派遣法40条の6――ベルコほか（代理店従業員・労働契約等）事件（札幌地判令和4・2・25）…梁　閔閔……121

［租税判例研究］

来料加工と外国子会社合算税制における管理支配基準（東京地判令和4・3・2）…長戸貴之……125

［渉外判例研究］

外国の方式により別氏婚をした日本人同士の婚姻の成否と戸籍による公証（東京地判令和3・4・21）…村上　愛……129

［刑事判例研究］

住居侵入・窃盗につき有罪とした前訴第1審判決後，その確定前に，後訴の訴因たる常習特殊窃盗罪を構成する行為がなされた場合における，前訴確定判決の一事不再理効の範囲（最一小決令和3・6・28）…吉原　潤……133

［学会予告］

2023年度 秋季学会予告……139