法律実務のパートナー
ジュリスト 2023年8月号(No.1587)
2023年07月25日 発売
定価 1,760円(本体 1,600円)
電子書籍版はこちら(2012年1月号~)
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第211回国会において,不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)の改正法が成立しました。本改正は,確約手続の導入や課徴金制度の見直し,刑事罰の新設などを含み,実務に大きな影響を及ぼすものです。本特集では,改正の内容や課題について議論・解説するとともに,諸外国の制度との比較を行い,理論的検討を加えます。連載「『人権尊重ガイドライン』を読み解く」は今号が最終回です。併せて是非ご注目ください。
【特集】景品表示法改正
◇[座談会]景品表示法の改正および運用改善について…中川丈久(司会)/片岡克俊/佐藤吾郎/白石忠志/染谷隆明……14
◇景品表示法における確約手続の導入…長澤哲也……37
◇景品表示法上の不実証広告規制に係る行政法上の諸問題…西上 治……43
◇景品表示法の課徴金制度における理論と課題…伊永大輔……49
◇景品表示法によるデジタル広告規制の現状と課題…板倉陽一郎……55
◇米国法からみた日本景品表示法の特色と課題…早川雄一郎……62
◇EU法からみた日本景品表示法の特色と課題…カライスコス アントニオス……68
[会社法判例速報]
株式売買価格決定申立てにおける譲渡制限株式の売買価格の算定(京都地決令和5・4・25)…尾形 祥……2
[労働判例速報]
育休復帰時に部下のいない業務に配置したことの違法性とキャリア形成の利益――アメリカン・エキスプレス事件(東京高判令和5・4・27)…水町勇一郎……4
[独禁法事例速報]
不当な取引制限による会社への課徴金の対会社責任を通じた取締役への転嫁(東京高判令和5・1・26)…得津 晶……6
[知財判例速報]
商品に付した単一の色彩で構成される表示を巡る不正競争該当性――ルブタン事件控訴審(知財高判令和4・12・26)…黒田 薫……8
[租税判例速報]
非営利型法人に対して支払われた利子及び配当等と源泉所得課税(東京地判令和4・1・14)…山田麻未……10
[連載/海外進出する企業のための法務]〔第4回〕
グローバル環境下における個人データの処理とガバナンス…中山貴博……74
[連載/「人権尊重ガイドライン」を読み解く]〔第6回・完〕
救済…湯川雄介/水野雄介/谷山風未花……82
[連載/実践 知財法務]〔第22回〕
不当表示(景表法・不競法)――表示根拠の十分性について…植村幸也……88
[書評]
◇林真貴子著『近代日本における勧解・調停――紛争解決手続の歴史と機能』…園尾隆司……80
◇谷口勢津夫著『税法創造論――税法における法創造と創造的研究』…田中晶国……95
[海外法律情報]
タイ―過剰な刑罰化の是正に向けた過料制度の新設…今泉慎也……81
[最高裁時の判例]
民事
◇マンション建替事業の施行者がマンションの建替え等の円滑化に関する法律76条3項に基づく補償金の供託義務を負う場合において,上記補償金の支払請求権に対して複数の差押命令が発せられて差押えの競合が生じたときに上記施行者がすべき供託(最一小判令和4・10・6)…一藤哲志……96
◇民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることの許否(最一小決令和4・10・6)…堀内元城……100
◇1 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の,賃料等の不払があるときに連帯保証人が無催告にて賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性/2 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の,賃料等の不払等の事情が存するときに連帯保証人が賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性(最一小判令和4・12・12)…堀内元城……103
刑事
◇1 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する「記事を広告し,記述し,又は流布」する行為の意義/2 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する特定の医薬品等の購入・処方等を促すための手段としてされた告知といえるか否かの判断方法/3 学術論文の学術雑誌への掲載が薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する行為に当たらないとされた事例(最一小決令和3・6・28)…伊藤ゆう子……109
[商事判例研究]
◇引受範囲外の危険増加を理由とする損害保険契約の解除(山口地判令和3・7・15)…遠山 聡……114
◇取締役が通常想定すべき不正行為の範囲――積水ハウス地面師詐欺株主代表訴訟事件(大阪地判令和4・5・20)…伊藤 翔……118
◇有価証券の現物取引について実質的一任売買が認められた事例(名古屋高判令和4・2・24)…張 鈺……122
[労働判例研究]
◇コンビニフランチャイズ加盟店主の労組法上の労働者性――国・中労委(セブン-イレブン・ジャパン)事件(東京地判令和4・6・6)…石黒 駿……126
◇終業後の呼出時間についての労基法上の労働時間該当性――システムメンテナンス事件(札幌高判令和4・2・25)…高橋奈々……130
[租税判例研究]
所得税法59条1項2号のみなし譲渡該当性(東京地判令和4・2・14)…廣木準一……134
[渉外判例研究]
監護権侵害事案における監護権準拠法と不法行為準拠法の関係(東京地判令和3・4・12)…竹下啓介……138