法律実務のパートナー
ジュリスト 2023年3月号(No.1581)
2023年02月24日 発売
定価 1,760円(本体 1,600円)
電子書籍版はこちら(2012年1月号~)
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電力自由化により様々な事業者が電力市場に参入してきたが,近年の世界情勢を受けて電力価格は高騰し,新電力事業からの撤退が相次いでいる。喫緊の課題として最終消費者の負担の抑制や安定供給が求められる一方で,将来の価格競争や脱炭素化を維持・促進する必要もある。電力市場の整備の過程や現在の問題点を検討し,市場や政策についての長期的な展望を示す。
【特集】電力市場の法的問題
◇電力システム改革の進展と競争政策上の課題…武田邦宣……14
◇卸電力取引分野における法的課題…東條吉純……21
◇小売電力会社と需要者をめぐる諸問題…若林亜理砂……27
◇脱炭素と独禁法緩和…柳 武史……33
◇電力市場の今後…泉水文雄……39
[会社法判例速報]
弁護士である取締役による他社の買収・管理に関する対会社責任(東京高判令和4・9・15)…舩津浩司……2
[労働判例速報]
複数事業者のもとでの長時間連続勤務による精神障害発症に対する法的責任――大器キャリアキャスティングほか1社事件(大阪高判令和4・10・14)…小西康之……4
[独禁法事例速報]
プラットフォームのアルゴリズム変更が優越的地位濫用とされた事例(東京地判令和4・6・16)…多田敏明……6
[知財判例速報]
特許権侵害の告知による信用毀損(東京地判令和4・10・28)…小泉直樹……8
[租税判例速報]
企業間ポイント交換で収受される金銭の役務提供の対価性(大阪高判令和3・9・29)…西山由美……10
[新連載/「人権尊重ガイドライン」を読み解く]〔第1回〕
総論,人権方針の策定・事業への組込み…森田多恵子/根本剛史……46
[連載/実践 知財法務]〔第17回〕
特許権と後発医薬品…城山康文……62
[連載/実務法曹のための分析手法の基礎知識]〔第5回〕
合併シミュレーション ◇合併シミュレーションの理論と実際…久保研介……52
◇【コメント】企業結合規制と合併シミュレーション――久保論文に対するコメント…林 秀弥……59
[時論]
◇民事執行・民事保全・倒産及び家事事件等に関する手続のIT化――中間試案から要綱案まで…長谷部由起子……70
◇2021年ドイツ組合法の改正――組合法現代化法の意義と日本法への影響…金 旼姝……76
[書評]
◇土井翼著『名宛人なき行政行為の法的構造――行政法と物の法,序論的考察』…津田智成……61
◇畠田公明著『社会的営利会社の立法とガバナンス』…田村俊夫……82
[海外法律情報]
◇中国―ジェンダー平等の推進――女性権利利益保障法改正…岡村志嘉子……69
◇イタリア―子の二重氏の原則化――父の氏の自動的な付与は違憲…芦田 淳……83
[最高裁時の判例]
民事
◇複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により不動産を取得した場合における地方税法73条の7第2号の3括弧書きに規定する「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無及び額の判断の方法(最三小判令和4・3・22)…森田 亮……84
◇被害者を被保険者とする人身傷害条項のある自動車保険契約を締結していた保険会社が,被害者との間でいわゆる人傷一括払合意をし,上記条項の適用対象となる事故によって生じた損害について被害者に対して金員を支払った後に自動車損害賠償責任保険から損害賠償額の支払を受けた場合において,被害者の加害者に対する損害賠償請求権の額から上記損害賠償額の支払金相当額を全額控除することはできないとされた事例(最一小判令和4・3・24)…川﨑直也……87
◇1.相続税の課税価格に算入される財産の価額を財産評価基本通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることが租税法上の一般原則としての平等原則に違反しない場合/2.相続税の課税価格に算入される不動産の価額を財産評価基本通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることが租税法上の一般原則としての平等原則に違反しないとされた事例(最三小判令和4・4・19)…山本 拓……92
◇1.法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」の意義/2.組織再編成に係る一連の取引の一環として行われた金銭の借入れが法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当たらないとされた事例(最一小判令和4・4・21)…大竹敬人……97
[経済法判例研究会]
優越的地位の濫用被疑事件における確約計画認定において「金銭的価値の回復」がされた事例――アマゾンジャパン優越的地位濫用(協力金)事件(公取委令和2・9・10発表)…森平明彦……102
[商事判例研究]
◇過当取引の違法性の判断要素と顧客に対する指導助言義務(名古屋地判令和3・1・20)…木村真生子……106
◇議決権行使書面の行使期限違反等の瑕疵と決議取消しの可否(東京高判令和3・12・16)…潘 阿憲……110
◇暗号資産交換業者に対する取扱対象外通貨等の送付――ステーブルコイン(テザー)の返還等請求(東京地判令和2・7・31)…細田浩史……114
[労働判例研究]
◇若年期から受診歴のある労働者の自殺の業務起因性――国・福岡中央労基署長(新日本グラウト工業)事件(福岡地判令和3・3・12)…小畑史子……118
◇情報漏洩などを理由とする懲戒解雇と追加的な普通解雇の可否――学校法人追手門学院(懲戒解雇)事件(大阪地判令和2・3・25)…植田 達……122
[租税判例研究]
租税条約の解釈と会社分割にともなうみなし配当の株式保有要件(東京地判令和4・2・17)…坂巻綾望……126
[刑事判例研究]
違法収集証拠として証拠能力を否定した第1審の訴訟手続に法令違反があるとした原判決に,法令の解釈適用を誤った違法があるとされた事例(最三小判令和3・7・30)…緑 大輔……130