法律実務のパートナー
ジュリスト 2023年2月号(No.1580)
2023年01月25日 発売
定価 1,760円(本体 1,600円)
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国際社会に向けた規範で国内事業には直接影響しないと捉えられることもあった「サプライチェーンのビジネスと人権」について,2022年9月に「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」が政府により策定され,日本国内でも遵守を要する規範となった。本特集では,同ガイドラインに関する法的・実務的な論点について検討する。
【特集】サプライチェーンの人権尊重をめぐる法的問題――「人権尊重ガイドライン」を契機に
◇日本における人権尊重関連制度の現状と経営陣リスク…松井智予……14
◇自由貿易秩序における人権尊重のための規制の位置付け――強制労働をめぐる近年の動向を中心に…濱田太郎……21
◇「ビジネスと人権」の視点がもたらす契約法学へのインパクト――サプライチェーンにおける人権侵害と契約不適合責任…木戸 茜……27
◇人権への負の影響の特定・評価に関する実務対応の概説…根本剛史……34
◇人権デューデリジェンスについて――「人権への負の影響の特定・評価」を中心に…小林美奈……40
[会社法判例速報]
デッドロック状態にある株式会社の解散請求が認められた事例(東京地立川支判令和4・9・9)…久保田安彦……2
[労働判例速報]
更新上限制・不更新条項と労契法19条――日本通運(川崎・雇止め)事件(東京高判令和4・9・14)…橋本陽子……4
[独禁法事例速報]
入札に係る仕様への関与について確約計画が認定された事例(公取委令和4・6・30発表)…木村和也……6
[知財判例速報]
特許権侵害と属地主義の原則――ドワンゴ対FC2(プログラムの発明)事件(控訴審)(知財高判令和4・7・20)…田中浩之……8
[租税判例速報]
固定資産税に係るゴルフ場用地の評価と国家賠償法上の違法性(最一小判令和4・9・8)…田中晶国……10
[連載/実務法曹のための分析手法の基礎知識]〔第4回〕
UPP/GUPPI ◇企業結合審査と経済分析――値上げインセンティブの定量化…工藤恭嗣……48
◇【コメント】企業結合規制における経済分析の利用…武田邦宣……53
[連載/実践 知財法務]〔第16回〕
職務発明をめぐる諸問題…松田誠司……56
[判例詳解]
音楽教室事件最高裁判決(最一小判令和4年10月24日)の意義と実務に与える影響(最一小判令和4・10・24)…池村 聡……63
[新法の要点]
◇集団的消費者被害回復の実効化に向けた改正と残された課題…町村泰貴……70
◇資金決済法の改正――決済の安全性の確保のために…松井智予……76
[時論]
中小企業における私的整理の活用――「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の概要を中心に…杉本純子……82
[書評]
◇川嶋隆憲著『民事訴訟における後訴遮断理論の再構成』…髙田昌宏……47
◇山里孫存著『サンマデモクラシー――復帰前の沖縄でオバーが起こしたビッグウェーブ』…増井良啓……81
[海外法律情報]
◇スウェーデン―住宅供給の責任をめぐる動き…木下淑恵……55
◇タイ―性犯罪再犯防止法の制定…今泉慎也……88
[最高裁時の判例]
民事
◇1.利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当はその全体が法人税法(平成27年法律第9号による改正前のもの)24条1項3号に規定する資本の払戻しに該当するか/2.法人税法施行令(平成27年政令第142号による改正前のもの)23条1項3号の規定のうち資本の払戻しがされた場合の当該払戻し直前の払戻等対応資本金額等の計算方法を定める部分の法適合性(最一小判令和3・3・11)…池原桃子……89
◇大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例(平成28年大阪市条例第1号)2条,5条~10条と憲法21条1項(最三小判令和4・2・15)…髙瀬保守……99
◇使用者が誠実に団体交渉に応ずべき義務に違反する不当労働行為をした場合において,当該団体交渉に係る事項に関して合意の成立する見込みがないときに,労働委員会が使用者に対して誠実に団体交渉に応ずべき旨を命ずることを内容とする救済命令を発することの可否(最二小判令和4・3・18)…山本 拓……106
刑事
◇捜査機関への申告内容に虚偽が含まれていた事案につき刑法42条1項の自首が成立しないとされた事例(最一小決令和2・12・7)…三輪篤志……110
◇傷害罪の成立を認めた第1審判決に判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例(最一小判令和4・4・21)…池田知史……114
[経済法判例研究会]
インターネット宿泊予約サイトが実施したいわゆる同等性条件に関する確約計画の認定――Booking.com確約事案(公取委令和4・3・16発表)…西村暢史……118
[商事判例研究]
◇特別支配株主となるための議決権保有要件と新株発行不存在(仙台高秋田支判令和3・7・21)…宮崎裕介……122
◇株式の準共有者による売買価格決定の申立て(長野地決令和3・10・8)…星 明男……126
◇生命保険の災害関係特約における免責事由としての重大な過失(福岡高判令和2・8・27)…木村健登……130
[労働判例研究]
◇部署閉鎖に伴う解雇の有効性と解雇権濫用判断における検討単位――ユナイテッド・エアーラインズ(旧コンチネンタル・ミクロネシア)事件(東京高判令和3・12・22)…石黒 駿……134
◇リバースモーゲージ制度の利用拒否を理由とする保護停止の適法性(さいたま地判令和2・10・7)…中野妙子……138
[租税判例研究]
複数議決権株式発行会社が外国子会社に当たらないとした事例(大阪地判令和3・9・28)…増井良啓……142
[刑事判例研究]
医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為の意義と判断方法,およびタトゥー施術行為の医行為該当性(最二小決令和2・9・16)…仲道祐樹……146