法律実務のパートナー
ジュリスト 2020年12月号(No.1552)
2020年11月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
2020年の通常国会で公益通報者保護法の改正が成立しました。今回の改正は,2006年4月に公益通報者保護法が施行されて以来,初めての抜本的な改正です。企業の不祥事が後を絶たず,コンプライアンスが重視される中,今回の改正は企業に何を求めているのか。本特集では,改正法の概要を紹介するとともに,実務や各法分野から見た論点を詳解したうえ,実効性のある内部通報制度の在り方,企業の果たすべき役割について多方面から検討を加えます。
【特集】公益通報者保護法改正
◇公益通報者保護法の2020年改正――特集に当たって●山本隆司……14
◇[座談会]改正公益通報者保護法の実務上の論点●山本隆司/神田哲也/光前幸一/島田陽一/山口利昭……17
◇公益通報者保護法改正の概要●中野 真……37
◇改正公益通報者保護法の労働法学上の論点●桑村裕美子……43
◇改正公益通報者保護法の商法学上の論点●田中 亘……49
◇公益通報者保護法の改正――行政法の観点から●島村 健……55
◇EU公益通報者保護指令――日本の制度・実務に与える影響●竹村知己……62
◇役員に求められるインテグリティ●髙 巖……68
[会社法判例速報]
全部取得条項付種類株式の取得価格決定を申し立てることができる株主――東京地決令和2・7・9●弥永真生……2
[労働判例速報]
有期契約労働者への賞与・退職金の不支給と「正社員人材確保」論――大阪医科薬科大学事件/メトロコマース事件――最三小判令和2・10・13●水町勇一郎……4
[独禁法事例速報]
デジタル・プラットフォーム運営事業者同士の企業結合――公取委令和2・8・4発表●滝澤紗矢子……6
[知財判例速報]
通常実施権者による特許権者と第三者間の債務不存在確認と確認の利益――最二小判令和2・9・7●小林利明……8
[租税判例速報]
過去に納付した制限超過利息等に係る法人税の還付と公正処理基準――最一小判令和2・7・2●渡辺徹也……10
[連載/裁判手続とIT化の重要論点]〔第9回〕
民事訴訟のIT化を実現するシステムとセキュリティ●湯淺墾道……70
[連載/弁護士のための租税法務]〔第12回・完〕
国際的買収取引における国際課税制度●平川雄士……76
[連載/BOOK TERRACE]
紀伊國屋書店新宿本店……97
[時論]
危機における個人と集団●大屋雄裕……83
[海外法律情報]
◇フランス―テロ犯に対する保安処分●徳永貴志……102
◇英国―英連邦のスポーツの祭典に向けた法整備●田中嘉彦……115
[最高裁時の判例]
民事
◇民法916条にいう「その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時」の意義――最二小判令和元・8・9●村田一広……89
◇高齢者の医療の確保に関する法律による後期高齢者医療給付を行った後期高齢者医療広域連合が当該後期高齢者医療給付により代位取得した不法行為に基づく損害賠償請求権に係る債務についての遅延損害金の起算日――最二小判令和元・9・6●光岡弘志……94
[経済法判例研究会]
アマゾンジャパンによる措置命令取消請求事件――東京地判令和元・11・15●渡辺昭成……98
[商事判例研究]
◇同族会社における内紛の和解による解決と利益供与――東京高判平成29・1・31●尾崎悠一……103
◇不適切な商品先物取引に伴う会社代表者の対第三者責任――名古屋高判令和元・8・22●早川咲耶……107
◇弁護士会照会に対する弁護士会の不法行為責任――京都地判平成29・9・27●山倉 愛……111
[労働判例研究]
◇労使協定のない計画年休の時季指定の効力――シェーンコーポレーション事件――東京高判令和元・10・9●中町 誠……116
◇市が定める支給量の上限を超える同行援護の不支給決定の適法性――大阪地判平成30・12・19●中野妙子……120
[租税判例研究]
係争中の分限免職処分に基づく退職手当に関する課税のタイミング――東京地判平成29・1・13●藤岡祐治……124
[渉外判例研究]
米国および日本で継続した不貞行為の結果発生地を日本とした事例――東京高判令和元・9・25●種村佑介……128
[内容一覧]
ジュリスト・論究ジュリスト2020年内容一覧……134