法律実務のパートナー
ジュリスト 2020年7月号(No.1547)
2020年06月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
2019年末、企業結合をめぐる2つのガイドラインが改定されました。データの価値が高まり、プラットフォーマーが力を増す中で、企業結合のルールはどうあるべきなのでしょうか。特集では、新しい問題のようで、実は伝統的な側面もあるこの問題について、地域的独占に関する最近の法改正(令和2年法律第32号)も含めて、これまでの議論の潮流も踏まえつつ、規制の変動点やその意義を考えます。
そして、今号から臨時の短期集中連載「パンデミックと法実務」をスタートします(11月号で終了予定)。新型コロナウイルスの世界的流行は、市民社会に深刻な影響を与えており、法律にも様々な課題が突きつけられています。そこで、法実務との関係で緊急性が高いと思われるテーマをいくつかピックアップし、現段階で考えられる解釈論上、立法論上の方策について検討します。テーマは、民法・会社法・労働法等に関係するものを予定しています。
【特集】これからの企業結合規制
◇特集にあたって●白石忠志……14
◇垂直型企業結合と混合型企業結合の審査基準●帰山雄介……17
◇デジタルビジネスにおける企業結合規制●池田 毅……23
◇スタートアップ企業の買収と企業結合規制●中野雄介……30
◇乗合バス・地域銀行の企業結合と特例措置●川合弘造……36
[会社法判例速報]
株式の差押え等と会社の解散の訴えの原告適格――東京地判令和元・8・30●弥永真生……2
[労働判例速報]
無期転換申込権発生前の雇止めと無期転換の成立――高知県公立大学法人事件――高知地判令和2・3・17●小西康之……4
[独禁法事例速報]
排除型私的独占等被疑事件について確約計画が認定された事例――日本メジフィジックス確約認定――公取委認定令和2・3・11●大東泰雄……6
[知財判例速報]
知財高裁大合議判決による特許法102条1項に係る裁判例の統一――知財高判令和2・2・28●飯田 圭……8
[租税判例速報]
パートナーシップ持分の移転と適格現物出資における「国内にある資産」の意義――塩野義製薬事件――東京地判令和2・3・11●吉村政穂……10
[海外法律情報]
アメリカ―新しい食肉の表示規制●井樋三枝子……43
[新連載/パンデミックと法実務]〔第1回〕
◇パンデミックにおけるCSRとソフトロー●後藤 元……44
◇不動産賃貸借●山野目章夫……50
[連載/裁判手続とIT化の重要論点]〔第4回〕
送達――システム送達,公示送達の見直し,外国居住者への送達●佐瀬裕史……57
[連載/弁護士のための租税法務]〔第7回〕
株式譲渡に関する課税●田中 良……63
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第33回〕
フランスにおけるクラウド・サービスと私的複製補償金制度●駒田泰土……70
[連載/BOOK TERRACE]
ジュンク堂書店池袋本店……72
[時論]
◇サイバー捜査と国家管轄権●竹内真理……73
◇音楽教室裁判にみる著作権法の諸問題●橋本阿友子……79
[最高裁時の判例]
民事
差止めの訴えの訴訟要件である「行政庁によって一定の処分がされる蓋然性があること」を満たさない場合における,将来の不利益処分の予防を目的として当該処分の前提となる公的義務の不存在確認を求める無名抗告訴訟の適否――最一小判令和元・7・22●中島 崇……85
[商事判例研究]
◇取締役解任請求と法令・定款違反の重大事実――東京高判平成30・10・31●潘 阿憲……91
◇権限を逸脱した議決権行使と決議取消し――東京地判平成31・3・8●弥永真生……95
◇バイオ関連発明の記載要件――機能および特性により特定した発明の記載要件の充足を認めた事例――知財高判平成30・12・27●劉 一帆……99
[労働判例研究]
◇定年後再雇用拒否の有効性――南山学園事件――名古屋地判令和元・7・30●森戸英幸……103
◇労働組合の専従職員に対する普通解雇の有効性――全駐留軍労働組合事件――東京地判平成30・11・29●神吉知郁子……107
[渉外判例研究]
法適用通則法12条1項により日本の強行規定を適用した事例――東京地判平成28・9・26●神前 禎……111