法律実務のパートナー
ジュリスト 2020年6月号(No.1546)
2020年05月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
パワーハラスメント防止措置の義務付けを中心にした,ハラスメントに関する法改正が2020年6月1日から施行されます。セクハラやマタハラなど,多様化するハラスメントの中で,職場のハラスメントの典型例であるパワハラ。しかし,職場において必要とされる指導と禁止されるパワハラは,区別が難しいのも事実。今号の特集では,2020年1月に公表されたガイドラインも踏まえて,線引きの難しいこの問題について,法理論や法実務,さらにはメンタルヘルスといった異なる視点から検討を加え,企業がとるべき施策のヒントを提供します。
【特集】ハラスメントと法の役割
◇ハラスメントの定義と課題●原 昌登……14
◇職場におけるパワーハラスメントに関する指針等の解説●厚生労働省雇用環境・均等局雇用機会均等課……20
◇ハラスメント法制の歩みと課題――パワーハラスメント防止の措置義務の法制化を契機として●中窪裕也……26
◇ハラスメント対応の実務●中井智子……33
◇メンタルヘルスとハラスメント予防●津野香奈美……39
[会社法判例速報]
原始株主の株主名簿記載請求権――東京高判令和元・11・20●弥永真生……2
[労働判例速報]
歩合給と割増賃金の判別可能性――国際自動車事件――最一小判令和2・3・30●橋本陽子……4
[独禁法事例速報]
適格消費者団体による景表法に基づく差止請求が棄却された事例――名古屋地判令和元・12・26●染谷隆明……6
[知財判例速報]
高価な芸術作品の違法複製と著作権法114条3項の使用料相当額――大阪地判令和2・1・14●小林利明……8
[租税判例速報]
架空の輸出免税売上や課税仕入れを計上して不正に消費税の還付を受けた事例――津地判令和元・12・23●南 繁樹……10
[海外法律情報]フランス
◇新型コロナウイルス感染症に対処する緊急法律●齊藤笑美子……59
◇英国の欧州連合離脱とコロナウイルス対策立法●田中嘉彦……64
◇COVID-19とドイツの法状況●山本真敬……71
[連載/裁判手続とIT化の重要論点]〔第3回〕
濫訴防止策●杉山悦子……46
[連載/弁護士のための租税法務]〔第6回〕
役員給与に対する課税制度●岩品信明……52
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第32回〕
追及権―― to be or not to be, that is the question.●小川明子……60
[Information Lounge]
民事判決オープンデータ化プロジェクトの始動●大坪和敏……62
[新法の要点]
対内直接投資の促進と国家安全保障●河野真理子……65
[最高裁時の判例]
民事
◇固定資産評価審査委員会に審査の申出をした者が当該申出に対する同委員会の決定の取消訴訟において同委員会による審査の際に主張しなかった事由を主張することの許否――最三小判令和元・7・16●髙瀬保守……72
◇普通地方公共団体の議会の議員に対する懲罰その他の措置が当該議員の私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否の判断方法/市議会の議会運営委員会の議員に対する厳重注意処分の決定が違法な公権力の行使に当たるとはいえないとされた事例――最一小判平成31・2・14●日置朋弘……75
刑事
◇交通反則告知書の受領を拒否したことにつき道路交通法130条2号に当たると解するのは信義に反するなどとして同号該当性を否定した原判決には法令の解釈適用を誤った違法があるとされた事例――最一小判令和元・6・3●中尾佳久……80
[商事判例研究]
◇有利発行に続くスクイーズアウトと取締役の責任――東京地判平成30・3・22●黒沼悦郎……83
◇発信者情報開示請求事件における権利侵害明白性の判断――東京地判平成30・6・29●沈 睿……87
◇株主総会決議を経ない取締役報酬相当額の賠償請求と信義則――東京地判平成30・1・22●吉岡正嗣……91
[労働判例研究]
◇フランチャイズ店主の労働基準法・労働契約法における労働者性――セブン-イレブン・ジャパン(共同加盟店主)事件――東京地判平成30・11・21●木下潮音……95
◇看護学校修学費用の返還請求と労働基準法16条――医療法人杏祐会元看護師ほか事件――広島高判平成29・9・6●黄 若翔……99
[租税判例研究]
商業施設の敷地にある調整池の固定資産評価の地目について争われた事例――最三小判平成31・4・9●柴 由花……103