法律実務のパートナー
ジュリスト 2020年2月号(No.1541)
2020年01月24日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
2019年5月に成立した特許法・意匠法の改正は,査証制度の創設や意匠法保護対象の拡充など,実務に大きな影響を及ぼします。今回の特集では,この改正の概要を解説するとともに,改正後の実務上の課題を検討します。さらにTPP11協定の発効に伴う,期間補償のための特許権の存続期間延長についても,最新の審査基準をふまえて解説します。
さらに,巻頭コーナーのHOT issueでは,厚生労働省で検討されている「解雇無効時の金銭救済制度」をテーマにした,研究者,使用者側の弁護士,労働者側の弁護士による鼎談を掲載しています。あわせてご一読下さい。
【特集】2019年知財法改正の論点
◇特集にあたって●小泉直樹……12
◇査証手続の概要及びその運用上の課題●佐藤達文……14
◇査証手続の比較法と理論的検討●山本和彦……20
◇損害賠償の実効化に向けて――令和元年改正特許法●飯田 圭……27
◇期間補償のための存続期間の延長●松田誠司……33
◇意匠法改正――保護対象の拡大と関連意匠制度の拡充を中心に●青木大也……39
[HOT issue]〔No.25〕
[鼎談]解雇無効時の金銭救済制度●森戸英幸●石井妙子●水口洋介……ⅱ
[会社法判例速報]
会計限定監査役の任務懈怠――東京高判令和元・8・21●弥永真生……2
[労働判例速報]
一人親方を含む石綿粉じん曝露作業従事者の国および企業に対する損害賠償請求の可否――九州建設アスベスト事件――福岡高判令和元・11・11●橋本陽子……4
[独禁法事例速報]
準拠法決定における優越的地位の濫用の考慮――東京地判令和元・9・4●根本 拓……6
[知財判例速報]
部分意匠の類否判断――大阪高判令和元・9・5●黒田 薫……8
[連載/弁護士のための租税法務]〔第2回〕
様々な事業体とその課税●伊藤剛志……60
[連載/相続と法実務]〔第11回〕
相続法改正と手続法上の問題点●笠井正俊……67
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第28回〕
意匠の技術的機能性に関するEU司法裁判所(CJEU)の判決●青木博通……82
[連載/BOOK TERRACE]
大阪高裁内ブックセンター……84
[時論]
改正民法(債権法)の経過措置に関する諸問題(下)●中井康之……74
[最高裁時の判例]
〔民事〕
◇訴訟当事者に判決の内容が了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより不服申立ての機会が与えられないまま確定した外国裁判所の判決に係る訴訟手続と民訴法118条3号にいう公の秩序――最二小判平成31・1・18●土井文美……85
〔刑事〕
◇現住建造物等放火罪に該当する行為により生じた人の死傷結果を量刑上考慮することの可否――最三小決平成29・12・19●蛭田円香……90
[海外法律情報]
◇タイ―医療用大麻の合法化に踏み切ったタイ●今泉慎也……45
◇スウェーデンー自治体間の財政均衡化●木下淑恵……93
[経済法判例研究会]
国際契約における準拠法・管轄裁判所に関する合意と独占禁止法の適用関係――東京高判平成29・10・25●松下満雄……95
[商事判例研究]
◇自動車保険における故意免責と闘争行為免責の意義――神戸地判平成30・5・10●甘利公人……99
◇生命保険募集代理店の適格性と委託契約解除の合理性――東京高判平成30・6・14●髙橋美加……103
◇株主総会決議に基づく新株発行(第三者割当て)の差止め――京都地決平成30・3・28●三原秀哲……107
[労働判例研究]
◇いわゆるスタッフ職の管理監督者性――日産自動車事件――横浜地判平成31・3・26●中町 誠……111
◇チェック・オフ廃止の支配介入該当性――国・中労委(大阪市〔チェック・オフ〕)事件――東京高判平成30・8・30●宮里邦雄……115
[租税判例研究]
マンションの区分所有者全員による団体を法人税法上,法人とみなした事例――東京高判平成30・10・31●岸田貞夫……119