法律実務のパートナー
ジュリスト 2019年12月号(No.1539)
2019年11月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
2019年10月に消費増税が実施されました。軽減税率の運用など,実務では早くも課題が浮き彫りになっていますが,そもそもなぜ消費税なのか,という理論的検討はまだ残されているように感じます。今号の特集では,消費増税の意義と課題の理論的な整理を試みます。さらに,シェアリング・エコノミー,暗号資産という新しい経済のかたちが急速に進展する中で,現行の消費税の仕組みはどこまで有効であり続けられるのかという将来の可能性にも視野を広げ,これからの消費税を展望します。
【特集】消費増税の理論的検討
◇特集にあたって●藤谷武史……14
◇課税ベースとしての消費・再訪●渕 圭吾……18
◇社会保障財源としての消費税――負担構造の観点から●神山弘行……23
◇経済の電子化と消費税制の対応●渡辺智之……30
◇消費税と情報――付加価値税の自己執行メカニズムを中心に●吉村政穂……36
◇「新しい経済」と消費税●藤岡祐治……42
◇非課税取引の再検討――金融取引を中心に●吉村典久……48
◇今後の消費税法上の解釈問題●増井良啓……54
[会社法判例速報]
買収防衛策廃止の株主提案――東京高決令和元・5・27●弥永真生……2
[労働判例速報]
長時間労働に従事させたことに対し疾患未発症でも損害賠償請求が認められた例――狩野ジャパン事件――長崎地大村支判令和元・9・26●水町勇一郎……4
[独禁法事例速報]
製造受委託の関係にある販売業者間でのカルテルが認定された事例――公取委命令令和元・6・4●木村和也……6
[知財判例速報]
実用品デザイン(鞄の形態)の著作物性――東京地判令和元・6・18●小林利明……8
[租税判例速報]
固定資産評価審査決定の取消訴訟における不服申立前置主義の趣旨――最三小判令和元・7・16●田中啓之……10
[連載/相続と法実務]〔第9回〕
配偶者居住権等の価値評価と課題●奥田かつ枝……87
[連載/新時代の弁護士倫理]〔第12回・完〕
これからの弁護士倫理を展望する●石田京子●髙中正彦●市川 充●鳥山半六……72
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第26回〕
リンク張りに関するEU司法裁判所(CJEU)の2つの判決●吉田和彦……94
[連載/BOOK TERRACE]
MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店……96
[国会概観]
◇第198回国会の概観(下)●山岸健一……61
◇第198回国会制定法律・承認条約一覧……68
[最高裁時の判例]
民事
◇民訴法324条に基づく移送決定についての取消しの許否――最三小決平成30・12・18●作田寛之……97
刑事
◇刑法218条の不保護による保護責任者遺棄罪の実行行為の意義/子に対する保護責任者遺棄致死被告事件について,被告人の故意を認めず無罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例/裁判員の参加する合議体で審理された保護責任者遺棄致死被告事件について,訴因変更を命じ又はこれを積極的に促すべき義務がないとされた事例――最二小判平成30・3・19●向井香津子……101
[経済法判例研究会]
後発医薬品の仕切価に関する共同行為が不当な取引制限にあたるとされた事例――公取委排除措置命令令和元・6・4●山本裕子……109
[商事判例研究]
◇反社会的勢力排除条項に基づく保険契約の解除――広島高岡山支判平成30・3・22●遠山 聡……113
◇有価証券報告書の虚偽記載と内部統制システム構築義務違反――東京地判平成30・3・29●弥永真生……117
◇有価証券報告等の虚偽記載に加担した外部者の共同不法行為責任――東京地判平成28・3・31●徐 崧博……121
[労働判例研究]
◇有期雇用労働者に対する賞与等不支給措置の不合理性――大阪医科薬科大学事件――大阪高判平成31・2・15●野川 忍……125
◇成果主義・能力主義への変更を伴う就業規則変更の拘束力――トライグループ事件――東京地判平成30・2・22●仲 琦……129
[租税判例研究]
中国で来料加工する香港子会社への外国子会社合算税制の適用事例――東京地判平成28・9・28●駒宮史博……133
[渉外判例研究]
並行輸入品の広告行為につき商標権侵害の違法性を欠くとした事例――知財高判平成30・2・7●種村佑介……137
[内容一覧]
ジュリスト・論究ジュリスト2019年内容一覧……142