法律実務のパートナー
ジュリスト 2019年11月号(No.1538)
2019年10月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
今号の特集では,パート・有期法8条・9条の改正を取り上げます。この改正は,単なる非正規労働者の処遇を改善する措置と思われがちですが,それにとどまらない様々な意義があります。特集では,その制度趣旨や裁判例の傾向といった時間軸と,比較法学・組織論・経済学からの検討といった比較軸の交差から,その真の意義を探り,これからの人事管理・雇用システムの在り方を展望します。
【特集】「同一労働同一賃金」の今後
◇「同一労働同一賃金」の位置づけと今後――特集にあたって●荒木尚志……14
◇[座談会]「同一労働同一賃金」と人事管理・雇用システムの今後●山川隆一●安藤至大●神吉知郁子●佐藤博樹……18
◇正規・非正規格差是正規制の法的位置付け――比較制度的視点を踏まえて●富永晃一……38
◇非正規雇用の待遇に関する裁判例とパート・有期法8条・9条の展望●小西康之……45
◇短時間・有期労働法における人事管理の課題と法的課題●土田道夫……51
[会社法判例速報]
代表取締役の解職と損害賠償――富山地高岡支判平成31・4・17●弥永真生……2
[労働判例速報]
HIV感染不告知を理由とする採用内定取消しと当該情報の目的外使用の違法性――北海道社会事業協会事件――札幌地判令和元・9・17●小西康之……4
[独禁法事例速報]
いわゆる「破綻企業の抗弁」がほぼ唯一の争点となった企業結合――公取委令和元・6・19発表●松永博彬……6
[知財判例速報]
侵害者利益・推定覆滅と実施料相当額の算定式・考慮要素――知財高判令和元・6・7●飯田 圭……8
[租税判例速報]
法人税法132条の2の不当性要件に係る制度濫用基準の適用事例――東京地判令和元・6・27●谷口勢津夫……10
[時論]
在外国民は最高裁判所裁判官国民審査において審査権を行使できるか――2019(令和元)年5月28日東京地方裁判所判決をめぐって●渋谷秀樹……58
[国会概観]
第198回国会の概観(上)●山岸健一……91
[連載/相続と法実務]〔第8回〕
「特別の寄与」制度――実務上の諸課題●内藤千香子……66
[連載/新時代の弁護士倫理]〔第11回〕
◇弁護士懲戒と弁護士自治●石田京子●髙中正彦●川崎裕子●山口健一……74
◇「三方よし」から「司法よし」へ●川嶋四郎……89
◇弁護士の規律と弁護士会の役割●加藤新太郎……90
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第25回〕
EU新著作権指令の概要●井奈波朋子……64
[連載/BOOK TERRACE]
紀伊國屋書店新宿本店……73
[最高裁時の判例]
民事
◇金属スクラップ等の継続的な売買契約において目的物の所有権が売買代金の完済まで売主に留保される旨が定められた場合に,買主が保管する金属スクラップ等を含む在庫製品等につき集合動産譲渡担保権の設定を受けた者が,売買代金が完済されていない金属スクラップ等につき売主に上記譲渡担保権を主張することができないとされた事例――最二小判平成30・12・7●松本展幸……100
◇詐害行為取消しによる受益者の取消債権者に対する受領済みの金員相当額の支払債務が履行遅滞となる時期――最二小判平成30・12・14●宮﨑朋紀……104
◇名義貸与の依頼を承諾して自動車の名義上の所有者兼使用者となった者が,自賠法3条にいう運行供用者に当たるとされた事例――最一小判平成30・12・17●中野琢郎……107
[商事判例研究]
◇出席予定のない政治資金パーティー券購入と取締役の責任――東京高判平成28・7・19●北川 徹……111
◇ストック・オプションの権利行使条件――退職勧奨に応じた従業員による権利行使の可否――東京高判平成28・11・10●尾崎悠一……115
◇異業種参入目的の投資判断の失敗と経営判断原則――東京高判平成28・7・20●堀田佳文……119
[労働判例研究]
◇勤務中のわいせつ行為等を理由とする停職6月の懲戒処分の是非――加古川市事件――最三小判平成30・11・6●中山慈夫……123
◇試し出勤に対する最低賃金法の適用――NHK(名古屋放送局)事件――名古屋高判平成30・6・26●石﨑由希子……127
[租税判例研究]
遺産分割の成立による更正の請求と取消判決の拘束力――東京地判平成30・1・24●谷口智紀……131
[渉外判例研究]
外国判決承認における判決書の送達の有無と手続的公序――最二小判平成31・1・18●横溝 大……135
[学会予告]
2019年度 秋季学会予告……139