法律実務のパートナー
ジュリスト 2019年4月号(No.1530)
2019年03月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
様々な場面で問題視され,ついに立法化に動き出したパワハラ。ただ,必要とされる「指導」との境界はあいまいで,指導者にとっては悩みの種です。今号の特集では,企業,スポーツ,教育という異なる場面からパワハラに光を当てるとともに,組織論の視点からも分析を加えます。現場の視点からの座談会と各論文もリンクしているので,是非ご一読下さい。
また,今号から「相続と法実務」という連載がスタートします。2018年に成立した相続法改正を前提に,実務で問題となりうる論点について,実務家と研究者の方にご解説いただきます。
【特集】パワハラ予防の課題
◇[座談会]現場から考えるパワハラとその予防●原 昌登●久保村俊哉●白井久明●杉浦ひとみ……14
◇パワーハラスメントとは――労働法の見地から●原 昌登……34
◇スポーツ界のハラスメント問題――人間関係と団体のガバナンスにみる日米比較●川井圭司……40
◇学校現場におけるパワーハラスメント――子ども法の視点から「教育」を問い直す●横田光平……47
◇パワーハラスメントとは――組織論の見地から●太田 肇……54
[会社法判例速報]
うつ病による従業員の自殺と取締役の責任――大阪地判平成30・ 3・1●弥永真生……2
[労働判例速報]
有期契約労働者(アルバイト職員)への賞与不支給の違法性――大阪医科薬科大学(旧大阪医科大学)事件――大阪高判平成31・2・15●水町勇一郎……4
[独禁法事例速報]
日産自動車に対する課徴金納付命令を取り消す裁決――消費者庁平成30・12・26発表●染谷隆明……6
[知財判例速報]
ビジネスモデル特許の発明該当性――知財高判平成30・10・17●田中浩之……8
[租税判例速報]
市税債権を誤って時効完成させた場合の市長等への損害賠償義務付け等請求の可否――仙台高秋田支判平成30・11・28●岩品信明……10
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第18回〕
ファッションデザインの法的保護●高瀬亜富……78
[新連載/相続と法実務]
◇連載にあたって●窪田充見●増田勝久……60
[連載/相続と法実務]〔第1回〕
◇預貯金債権の共同相続――相続法改正を中心とした検討●安部将規……61
[連載/新時代の弁護士倫理]〔第4回〕
◇利益相反●加藤新太郎……68
◇利益相反の顕在化の際の対応●大川康平……76
◇ホットポテト法則●太田秀哉……77
[新法の要点]
地理的表示(GI)制度をめぐる現状と課題●今村哲也……81
[最高裁大法廷時の判例]民事
衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りを定める公職選挙法13条1項,別表第1の規定の合憲性――最大判平成30・12・19●日置朋弘……87
[最高裁時の判例]民事
◇株券が発行されていない株式(振替株式を除く。)に対する強制執行の手続において配当表記載の債権者の配当額に相当する金銭が供託され,その供託金の支払委託がされるまでに債務者が破産手続開始の決定を受けた場合における破産法42条2項本文の適用の有無――最二小決平成30・4・18●林 史高……97
◇曲線での速度超過により列車が脱線転覆し多数の乗客が死傷した鉄道事故について,鉄道会社の歴代社長らに業務上過失致死傷罪が成立しないとされた事例――最二小決平成29・6・12●久禮博一……102
[経済法判例研究会]
OEM供給された商品の優良誤認表示における「相当の注意を怠った者」の該当性判断――消費者庁裁決平成30・12・21●伊永大輔……107
[商事判例研究]
◇非公開大会社が選任した会計監査限定監査役の責任――安愚楽牧場事件――大阪高判平成29・4・20●榊 素寛……111
◇ゴルフ会員権の売買と預託金回収可能性の共通錯誤――大阪高判平成29・4・27●得津 晶……115
◇代表取締役を解職する取締役会の招集通知の瑕疵と決議の効力――東京地判平成29・4・13●行岡睦彦……119
[労働判例研究]
◇歩合給算定上,年休手当相当額を差し引く控除規定の公序違反性――土電ハイヤー事件――高知地判平成30・3・16●富永晃一……123
◇就業規則変更の一部の拘束力の有無――学校法人札幌大学(給与支給内規変更)事件――札幌高判平成29・10・4●土岐将仁……127
[租税判例研究]
残余利益分割法と同等の方法を用いることの可否――東京地判平成29・11・24●今村 隆……131
[渉外判例研究]
判決国内における翻訳文の添付のない訴状の送達と外国判決承認の送達要件――東京高判平成27・9・24●中村知里……135
[学会予告]
受贈図書・2019年度 春季学会予告……139