法律実務のパートナー
ジュリスト 2019年1月号(No.1527)
2018年12月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
特集では,消費者契約法の2016年改正と2018年改正を横断的に総括します。冒頭の座談会と3本の論文を通して,個々の規定の解釈の提示にとどまらず,これらの改正の意義を評価したうえで,今後の課題を検討します。さらに,立案過程を経て認識された課題や規制のあり方にも言及し,今後の消費者法制のあり方を展望します。
また,弁護士倫理をテーマにした1年間の新連載がスタート。弁護士職務基本規定の改正の動きもあるなか,より重要性を増すこれからの弁護士倫理のあり方を考えます。
【特集】消費者契約法改正
◇[座談会]消費者契約法の改正と課題●山本敬三●沖野眞已●河上正二●長谷川雅巳●山本健司……14
◇総則規定の問題点と課題●後藤巻則……46
◇消費者契約法の改正と消費者取消権●丸山絵美子……54
◇不当条項規制をめぐる改正と今後の課題――「平均的損害の額」の立証責任と不当条項の類型の追加を中心に●宮下修一……64
[裁判官に聴く訴訟実務のバイタルポイント]〔第13回〕
労働訴訟(1)●門口正人●江原健志●西村康一郎……ⅱ
[会社法判例速報]
取締役報酬と株主全員の同意――東京高判平成30・6・28●弥永真生……2
[労働判例速報]
有期労働契約における更新上限年齢の法的意義――日本郵便(期間雇用社員ら・雇止め)事件――最二小判平成30・9・14●森戸英幸……4
[独禁法事例速報]
複数の垂直的制限に関する審査を事業者の申出により終了した事例――公取委平成30・7・11発表●池田 毅……6
[知財判例速報]
ピリミジン誘導体事件知財高裁大合議判決――知財高判平成30・4・13●小泉直樹……8
[租税判例速報]
米国子会社に対する貸付金に係る独立企業間利子の算定基準――国税不服審判所裁決平成29・9・26●川端康之……10
[新連載/新時代の弁護士倫理]〔第1回〕
弁護士のプロフェッション性をめぐって●髙中正彦●石田京子●市川 充……72
[連載/働き手・働き方の多様化と労働法]〔第10回〕
外国人雇用――職場における言語・宗教の多様化と労働法の課題●河野奈月……96
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第15回〕
オープンイノベーション時代の知財・法務の考え方●鮫島正洋……94
[最高裁大法廷時の判例]民事
裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」の意義/裁判官がインターネットを利用して短文の投稿をすることができる情報ネットワーク上で投稿をした行為が裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」に当たるとされた事例――最大決平成30・10・17●森 英明●三宅知三郎……102
[最高裁時の判例]民事
◇賃借人が契約当事者を実質的に変更したときは賃貸人は違約金を請求することができるなどの定めのある賃貸借契約において,当該賃借人が吸収分割の後は責任を負わないものとする吸収分割により契約当事者の地位を承継させた場合に,当該賃借人が上記吸収分割がされたことを理由に上記定めに基づく違約金債権に係る債務を負わないと主張することが信義則に反し許されないとされた事例――最三小決平成29・12・19●松本展幸……107
◇改良住宅の入居者が死亡した場合の使用権の承継について定める京都市市営住宅条例(平成9年京都市条例第1号)24条1項と住宅地区改良法29条1項,公営住宅法48条――最一小判平成29・12・21●家原尚秀……111
[経済法判例研究会]
自動車用ランプ受注調整事件――公取委審判審決平成30・5・30●萩原浩太……116
[商事判例研究]
◇中小企業等協同組合の持分の会社分割による移転についての組合の承諾の要否――大阪地判平成29・8・9●田中 亘……120
◇株式会社の解散事由である財産管理・処分の著しい失当――東京地判平成29・9・27●潘 阿憲……124
◇侵害品の薬価収載と損害賠償額の算定――マキサカルシトール損害賠償事件――東京地判平成29・7・27●前田 健……128
[労働判例研究]
◇動機の競合と不当労働行為――山陽測器事件――広島地判平成30・2・27●両角道代……132
◇労災保険制度に特別加入をしていた大工の労働者性――川越労基署長(C工務店)事件――大阪高判平成29・5・26●小西康之……136
[租税判例研究]
賃貸用不動産に係る贈与税の必要経費該当性――大阪高判平成29・9・28●阿部雪子……140
[渉外判例研究]
フランス法上の不分割財産とされた著作権の管理者による訴訟担当――知財高判平成28・6・22●加藤紫帆……144