法律実務のパートナー
ジュリスト 2018年11月号(No.1525)
2018年10月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
第196回国会で成立した不正競争防止法と著作権法の改正は,データ利活用のためのデータ保護や柔軟な権利制限規定の整備など,デジタルの存在感が増した社会に対応した法改正として注目を集めています。今号の特集では,同時期に成立した特許法改正も含め,改正内容や実務に及ぼす影響,さらに,今後の改正が検討されている課題について解説します。
さらに,巻頭のHot issueのテーマは,知的財産戦略本部の15年。特集でも取り上げた知財関係の法改正を主導してきた知的財産戦略本部。発足当時の状況から,現在の状況に至るまで,経験者3名による鼎談により,多面的な検討を加えます。特集とあわせてお読み下さい。
【特集】知財制度の新たな動き――不競法,特許法,著作権法改正を中心に
◇特集にあたって●小泉直樹……14
◇平成30年改正不正競争防止法によるデータ保護●岡村久道……16
◇平成30年改正不正競争防止法への実務的対応●山内貴博……22
◇リーチサイト●小泉直樹……27
◇ICT活用教育と著作権の制限●井上由里子……32
◇柔軟な権利制限規定の整備(平成30年著作権法改正)●秋山卓也……38
◇証拠収集をめぐる特許法改正●髙部眞規子……44
[HOT issue]
〔No.21〕知的財産戦略本部の15年●中山信弘●荒井寿光●中村伊知哉……2
[会社法判例速報]
株主総会決議不存在確認の利益――東京高判平成30・6・6●弥永真生……2
[労働判例速報]
労働組合による労働者供給事業と65歳定年後再雇用(更新)の可否――国際自動車事件――東京地判平成30・6・14●小西康之……4
[独禁法事例速報]
入札担当者からの助言・情報入手が取引妨害とされた事例――公取委平成30・6・14発表●多田敏明……6
[知財判例速報]
不正競争防止法2条1項1号の「使用」――東京地判平成30・5・11●田中浩之……8
[租税判例速報]
税条例規定の適法性判断と地方団体の課税自主権尊重――東京高判平成29・12・21●谷口勢津夫……10
[連載/働き手・働き方の多様化と労働法]〔第8回〕
働き方改革における育児・介護支援の意義と課題●倉田賀世……80
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第13回〕
ハリウッドとの闘い方●福井健策……72
[連載/債権法改正と実務上の課題]〔第11回〕
定型約款●山本敬三●深山雅也●山本健司……86
[新法の要点]
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の制定●水津太郎……74
[国会概観]
第196回国会の概観(下)●山岸健一……63
[最高裁時の判例]
民事
◇銀行が,輸入業者の輸入する商品に関して信用状を発行し,当該商品につき譲渡担保権の設定を受けた場合において,上記輸入業者が当該商品を直接占有したことがなくても,上記輸入業者から占有改定の方法によりその引渡しを受けたものとされた事例――最二小決平成29・5・10●大寄麻代……104
◇債権差押命令の申立書に請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が差押債権の取立てとして金員の支払を受けた場合,申立日の翌日以降の遅延損害金も上記金員の充当の対象となるか――最三小決平成29・10・10●堀内有子……109
◇有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が労働契約法20条に違反する場合における当該有期契約労働者の労働条件の帰すう/労働契約法20条にいう「期間の定めがあることにより」の意義/労働契約法20条にいう「不合理と認められるもの」の意義/無期契約労働者に対して皆勤手当を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例――最二小判平成30・6・1●中島 崇●村田一広……112
◇有期契約労働者が定年退職後に再雇用された者であることと労働契約法20条にいう「その他の事情」/有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるか否かについての判断の方法/無期契約労働者に対して能率給及び職務給を支給する一方で定年退職後に再雇用された有期契約労働者に対して能率給及び職務給を支給せずに歩合給を支給するという労働条件の相違が,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たらないとされた事例――最二小判平成30・6・1●村田一広●中島 崇……119
[経済法判例研究会]
非水平型企業結合の市場の閉鎖性・排他性と問題解消措置――公取委平成30・6・6発表●西村暢史……126
[商事判例研究]
◇取締役の報酬支払を追認する総会決議の瑕疵――説明義務違反等を理由とする取消請求が否定された事例――東京地判平成27・5・26●北川 徹……130
◇全株主が同意した残余財産の分配に関する属人的定めの効力――東京地判平成27・9・7●松元暢子……134
◇虚偽記載発覚前の株価下落と虚偽記載の相当因果関係――東京地判平成27・3・19●徐 崧博……138
[労働判例研究]
◇介護保険優先原則を定める障害者自立支援法7条の解釈――浅田訴訟――岡山地判平成30・3・14●永野仁美……142
◇有期契約労働者の試用期間満了時の解雇――空調服事件――東京高判平成28・8・3●土岐将仁……146
[租税判例研究]
税制適格ストックオプション行使益の源泉地――国税不服審判所裁決平成29・8・22●加藤友佳……150
[学会予告]
受贈図書・2018年度 秋季学会予告……155