法律実務のパートナー
ジュリスト 2018年9月号(No.1523)
2018年08月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
雇用の在り方や働き方が多様化し,労働法と独禁法の交錯領域が広がる中,2018年2月に公正取引委員会の「人材と競争政策に関する検討会」が報告書をまとめました。今回の特集では,この報告書を契機として,これからの人材獲得競争の実務における法律上の課題等について,労働法,独禁法,それぞれの視点から,解説及び検討を加えます。
さらに時論では,働き方改革法と注目の2つの最高裁判決,また漫画村をはじめとした海賊版サイトをめぐる法的論点といった注目のテーマを取り上げています。
【特集】人材獲得競争と法
◇[座談会]人材獲得競争と法の接点●泉水文雄●荒木尚志●川井圭司●多田敏明●中村天江……14
◇人材獲得市場における共同行為と独占禁止法●武田邦宣……36
◇発注者の単独行為と独占禁止法上の問題点●滝澤紗矢子……42
◇人材獲得市場における労働法と競争法の機能●土田道夫……48
◇プロスポーツにおける選手獲得競争と独占禁止法●齊藤高広……55
[HOT issue]
〔No.19〕統計データの利活用に向けて――統計法改正と今後の課題●宇賀克也●三宅俊光……ⅱ
[会社法判例速報]
株主総会決議に基づく新株発行と不公正発行――京都地決平成30・3・28●弥永真生……2
[労働判例速報]
定額残業代の割増賃金該当性の要件――日本ケミカル事件――最一小判平成30・7・19●水町勇一郎……4
[独禁法事例速報]
顧客奪取につき一般指定14項の取引妨害の成立を否定した事例――東京地判平成30・5・10●島崎伸夫……6
[知財判例速報]
商品形態の出所識別力を否定するためのアンケート調査――知財高判平成30・3・29●宮脇正晴……8
[租税判例速報]
相続税の修正申告書により遺産分割協議の内容を推認した例――東京地判平成30・3・16●北村 豊……10
[時論]
◇パートタイム・有期雇用労働法の成立と実務への影響――長澤運輸事件/ハマキョウレックス事件最高裁判決をうけて●島田裕子……74
◇海賊版サイトをめぐる法的論点の整理――「漫画村」の出現を契機として●平井佑希……82
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第11回〕
著作権法における権利制限規定の未来●渕 麻依子……80
[連載/働き手・働き方の多様化と労働法]〔第6回〕
働き方の多様化と障害者雇用の課題●長谷川 聡……88
[連載/債権法改正と実務上の課題]〔第9回〕
将来債権譲渡と抗弁の対抗●松岡久和●高須順一……94
[最高裁時の判例]
民事
◇建物の区分所有等に関する法律59条1項に規定する競売を請求する権利を被保全権利として民事保全法上の処分禁止の仮処分を申し立てることの可否――最二小決平成28・3・18●菊池絵理……108
◇理事長を建物の区分所有等に関する法律に定める管理者とし,役員である理事に理事長を含むものとした上,役員の選任及び解任について総会の決議を経なければならない旨の定めがある規約を有するマンション管理組合において,理事の互選により選任された理事長につき,理事の過半数の一致により理事長の職を解くことができるとされた事例――最一小判平成29・12・18●林 史高……113
◇小規模個人再生において住宅資金特別条項を定めた再生計画案の可決が信義則に反する行為に基づいてされた場合に当たるか否かの判断に当たり無異議債権の存否等を考慮することの可否――最三小決平成29・12・19●土井文美……118
◇滞納処分による差押えがされた後に設定された賃借権により担保不動産競売の開始前から建物の使用又は収益をする者の民法395条1項1号に掲げる「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」該当性――最三小決平成30・4・17●田中寛明……122
[経済法判例研究会]
農協による自ら以外への出荷を行った組合員に対する差別的取扱い――公取委排除措置命令平成30・2・23●渡辺昭成……127
[商事判例研究]
◇自動車保険契約における酒気帯び免責条項の解釈――大阪地判平成27・10・23●梅村 悠……131
◇事業譲渡に伴う競業避止義務違反に基づく差止め・損害賠償請求――知財高判平成29・6・15●津野田一馬……135
◇役員退職慰労金支給議案の総会不上程と損害賠償――東京地判平成27・7・21●堀田佳文……139
[労働判例研究]
◇視覚障害を有する大学教員に対する配転命令の違法性――学校法人原田学園事件――広島高岡山支判平成30・3・29●長谷川珠子……143
◇多重請負関係における「労働者性」と「使用者性」の齟齬――わいわいサービス事件――大阪高判平成29・7・27●濱口桂一郎……147
[租税判例研究]
元代表取締役への退職慰労金と法人税法34条2項にいう不相当に高額な部分――東京地判平成29・10・13●廣木準一……151
[渉外判例研究]
カナダ人未成年子らに対する父母の分割身上監護が認められた事例――東京高決平成29・5・19●種村佑介……155
[学会予告]
受贈図書・2018年度秋季学会予告……159