法律実務のパートナー
ジュリスト 2018年8月号(No.1522)
2018年07月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
2008年の成立から10年が経過した保険法。この間,社会や技術の変化に伴い,保険をめぐる状況も変化し続けており,保険法制定時には想定していなかった課題も浮上しています。本特集では,この10年における実務や判例の動向等を振り返りつつ,新技術を利用した,新たな保険に関する問題など,現在の保険法をめぐる課題について,検討を加えます。
さらに,世間の耳目を集めた公文書管理の問題や割増賃金規制に関する国際自動車(差戻審)事件など,ホットなテーマを時論で取り上げました。
【特集】保険法の現状と新たな課題
◇[座談会]保険法の論点と課題●山下友信●洲崎博史●木下孝治●遠山優治●山下信一郎……14
◇精神障害中の自殺●金岡京子……30
◇傷害保険の給付要件――外来性と疾病免責●白井正和……36
◇医療保険の諸問題●潘 阿憲……43
◇弁護士特約の諸問題●伊藤雄司……49
◇新しい技術と保険法の課題●肥塚肇雄……55
[会社法判例速報]
資本金額減少と債権者を害するおそれ――大阪高判平成29・4・27●弥永真生……2
[労働判例速報]
労契法20条の解釈枠組み及び各種手当にかかる同条違反の判断――ハマキョウレックス事件――最二小判平成30・6・1●竹内(奥野) 寿……4
[独禁法事例速報]
市場参入に必須の保険を締結している事業者団体による入会拒否――公取委平成30・3・9発表●松永博彬……6
[知財判例速報]
ドキュメンタリー映画での報道映像の引用――東京地判平成30・2・21●小林利明……8
[租税判例速報]
誘致企業による土地使用計画の全部放棄に伴う返還義務と住民訴訟――名古屋地判平成30・2・8●田中啓之……10
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第10回〕
均等論の現在●西井志織……94
[連載/働き手・働き方の多様化と労働法]〔第5回〕
サテライト・モバイルワーク――雇用型テレワークと労働法上の課題●山川和義……82
[連載/債権法改正と実務上の課題]〔第8回〕
債権譲渡制限特約●山野目章夫●深山雅也●井上 聡……62
[新法の要点]
次世代医療基盤法――医療ビッグデータの利用と保護●宇賀克也……88
[時論]
◇公文書管理一考――現状から考えること●野口貴公美……76
◇強行規定としての割増賃金規制と労使自治――国際自動車(差戻審)事件をうけて●石﨑由希子……97
[最高裁時の判例]
民事
◇商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けた取締役会が定めた新株予約権の行使条件をその発行後に変更する取締役会決議の効力/非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法によってされた募集株式発行の効力/非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権の行使条件に反した当該新株予約権の行使による株式発行に無効原因がある場合――最三小判平成24・4・24●谷村武則……104
◇本訴請求債権が時効消滅したと判断されることを条件とする,反訴における当該債権を自働債権とする相殺の抗弁の許否――最一小判平成27・12・14●菊池絵理……108
刑事
◇刑訴法17条1項2号にいう「裁判の公平を維持することができない虞があるとき」に当たらないとされた事例――最二小決平成28・8・1●蛭田円香……113
[経済法判例研究会]
ケーブルテレビの区域外再放送不同意と「正当な理由」――東京高判平成29・12・7●石岡克俊……116
[商事判例研究]
◇信用取引における過当取引の損害賠償と過失相殺――静岡地浜松支判平成29・4・24――東京高判平成29・10・25●高橋 均……120
◇車両保険契約における「盗難」の外形的事実とその立証――東京高判平成27・8・4●遠山 聡……124
◇粉飾決算と取締役の責任――名古屋地岡崎支判平成29・10・27●弥永真生……128
[労働判例研究]
◇労災民事訴訟において求められる予見可能性の程度――加野青果事件――名古屋高判平成29・11・30●中井智子……132
◇内部告発・外部通報をした教授に対する停職処分等の有効性――岡山県立大学事件――岡山地判平成29・3・29●香川孝三……136
[租税判例研究]
不動産取引における源泉徴収義務と非居住者の確認義務――東京高判平成28・12・1●西山由美……140