法律実務のパートナー
ジュリスト 2018年6月号(No.1520)
2018年05月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
新しい信託法が施行されてから10年が経過しました。実務でも運用は浸透し,社会状況の変化に合わせ,様々な形の信託が誕生しています。今回の特集では,10年間における信託の発展を踏まえ,実務上の課題を掘り下げました。最後の対談では,特集の各論文をふまえ,研究者の視点から,現在の信託法の課題を考察し,これからの信託のあり方を展望します。
【特集】新しい信託法10年の課題
◇指図権者がいる場合の受託者の義務――AIJ事件とその後●中田直茂……14
◇自己信託の利用●井上 聡……20
◇コーポレートガバナンスと信託●有吉尚哉……25
◇受益証券発行信託●吉谷 晋……31
◇商事分野における個人の信託●友松義信……35
◇家族を受託者とする信託●八谷博喜……39
◇[対談]特集の諸論文をきっかけとして●道垣内弘人●佐久間 毅……44
[裁判官に聴く訴訟実務のバイタルポイント]〔第11回〕
会社訴訟(2)●門口正人●大竹昭彦●岩井直幸……66
[会社法判例速報]
取締役報酬決定と善管注意義務――東京地判平成30・4・12●弥永真生……2
[労働判例速報]
扶養手当等の各種手当を正社員にのみ支給することの可否――日本郵便(大阪)事件――大阪地判平成30・2・21●森戸英幸……4
[独禁法事例速報]
国際的事業提携がカルテルに発展した域外適用の一事例――公取委平成30・2・9発表●植村幸也……6
[知財判例速報]
真正商品の並行輸入――知財高判平成30・2・7●黒田 薫……8
[租税判例速報]
相続土地の評価につき財産評価額からの減額割合が争われた事案――国税不服審判所裁決平成29・4・7●駒宮史博……10
[連載/債権法改正と実務上の課題]〔第6回)
相殺●野村豊弘●中井康之……80
[連載/働き手・働き方の多様化と労働法]〔第3回〕
配属・異動――地域限定社員をめぐる法的課題●岩永昌晃……59
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第8回〕
農産物における特許権の消尽●長谷川 遼……78
[最高裁時の判例]
民事
◇一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可処分又は許可更新処分の取消訴訟と当該処分の対象とされた区域につき既にその許可又は許可の更新を受けている者の原告適格――最三小判平成26・1・28●上村考由……94
◇地方公共団体は,その機関が保管する文書について,文書提出命令の名宛人となる文書の所持者に当たるか――最二小決平成29・10・4●村田一広……98
◇厚生年金保険法(昭和60年法律第34号による改正前のもの)47条に基づく障害年金の支分権の消滅時効の起算点――最三小判平成29・10・17●財賀理行……101
◇再生債務者が無償行為若しくはこれと同視すべき有償行為の時に債務超過であること又はその無償行為等により債務超過になることは民事再生法127条3項に基づく否認権行使の要件か――最一小判平成29・11・16●田中寛明……104
刑事
◇被告人に訴訟能力がないために公判手続が停止された後訴訟能力の回復の見込みがないと判断される場合と公訴棄却の可否――最一小判平成28・12・19●川田宏一……108
◇共犯者による欺罔行為後だまされたふり作戦開始を認識せずに共謀の上被害者から発送された荷物の受領行為に関与した者が詐欺未遂罪の共同正犯の責任を負うとされた事例――最三小決平成29・12・11●川田宏一……112
[経済法判例研究会]
岡山県北生コンクリート協同組合損害賠償事件――独禁法25条訴訟――東京高判平成29・4・21●森平明彦……118
[商事判例研究]
◇リツイートによる著作権侵害の成否――Twitterリツイート事件――東京地判平成28・9・15●青木大也……122
◇破綻銀行の取締役の融資決裁における注意義務――東京地判平成28・5・19●顧 丹丹……126
◇株式譲渡契約における価格調整条項及び表明保証条項の解釈――東京地判平成28・6・3●エドアルド・メスキタ……130
[労働判例研究]
◇期間雇用の65歳更新上限規則等に基づく雇止めの適法性――日本郵便(期間雇用社員ら・雇止め)事件――東京高判平成28・10・5●岩出 誠……134
◇別居中の夫婦における未支給年金についての生計同一要件の充足――未支給年金不支給処分取消請求事件――仙台高判平成28・5・13●嵩 さやか……138
[租税判例研究]
租税債権を第三者が納付しても代位が生じないとされた事例――東京地判平成27・11・26●佐藤英明……142
[渉外判例研究]
貸金業法の国際的適用範囲――東京高判平成28・12・12●嶋 拓哉……146