法律実務のパートナー
ジュリスト 2018年5月号(No.1519)
2018年04月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
さまざまな類型の訴訟が断続的に行われ,そのたびに議論を呼んでいたNHK受信料制度。2017年12月にはついに,最高裁大法廷による初判断がなされ,世間の耳目を集めました。本特集では,この判決で示された点について,解説と多角的な検討を行い,これからの放送制度の在り方を考察します。
また,巻頭カラーの「裁判官に聴く 訴訟実務のバイタルポイント」では会社訴訟を取り上げました。株式非公開の同族会社から大企業まで,企業法務に携わる人にとって重要な訴訟手続の現在の姿を把握できます。
【特集】NHK受信料訴訟大法廷判決のインパクト
◇[座談会]NHK受信料訴訟大法廷判決を受けて●宍戸常寿●音 好宏●鈴木秀美●山本和彦……14
◇NHK受信料訴訟大法廷判決の解説●冨上智子……32
◇NHK放送受信契約の締結をめぐる諸問題――最大判平成29年12月6日の検討●横山美夏……39
◇NHK受信料訴訟大法廷判決の検討――租税法の観点から●浅妻章如……45
[連載/裁判官に聴く訴訟実務のバイタルポイント]〔第10回〕
会社訴訟(1)●門口正人●大竹昭彦●岩井直幸……2
[会社法判例速報]
招集通知が欠けていた取締役会決議の有効性――東京高判平成29・11・15●弥永真生……2
[労働判例速報]
歩合給から割増賃金相当額を控除する賃金規定の適法性――国際自動車(差戻審)事件――東京高判平成30・2・15●水町勇一郎……4
[独禁法事例速報]
入札談合につき課徴金納付命令がなされなかった事例――東京都個人防護具事件――公取委平成29・12・12発表●花田さおり……6
[知財判例速報]
渉外的要素を含む営業秘密侵害事例――知財高判平成30・1・15●小泉直樹……8
[租税判例速報]
馬券払戻金の所得区分と外れ馬券の必要経費性――札幌事件――最二小判平成29・12・15●渡辺 充……10
[連載/働き手・働き方の多様化と労働法]〔第2回〕
兼業・副業と労働法●桑村裕美子……60
[連載/債権法改正と実務上の課題]〔第5回〕
保証●潮見佳男●岡 正晶●黒木和彰……84
[最高裁時の判例]
民事
◇共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者と遺産確認の訴えの当事者適格――最二小判平成26・2・14●加本牧子……66
◇厚生年金保険法附則8条の規定による老齢厚生年金について厚生年金保険法(平成24年法律第63号による改正前のもの)43条3項の規定による年金の額の改定がされるために同項所定の期間を経過した時点において当該年金の受給権者であることの要否――最二小判平成29・4・21●林 史高……70
◇弁護士法25条1号に違反する訴訟行為及び同号に違反して訴訟代理人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為につき,相手方である当事者が上記各訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権の有無/弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し,自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者が即時抗告をすることの許否/弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し,当該決定において訴訟行為を排除するものとされた訴訟代理人又は訴訟復代理人が自らを抗告人とする即時抗告をすることの許否/破産管財人を原告とする訴訟において,破産者の依頼を承諾したことのある弁護士が被告の訴訟代理人として訴訟行為を行うことが,弁護士法25条1号に違反するとされた事例――最一小決平成29・10・5●中野琢郎……74
刑事
◇ガス抜き配管内で結露水が滞留してメタンガスが漏出したことによって生じた温泉施設の爆発事故について,設計担当者に結露水の水抜き作業に係る情報を確実に説明すべき業務上の注意義務があったとされた事例――最一小決平成28・5・25●川田宏一……81
[経済法判例研究会]
国外で行われた価格カルテルにつき独占禁止法の適用を認めた事例――ブラウン管カルテル事件最高裁判決――最三小判平成29・12・12●若林亜理砂……102
[商事判例研究]
◇金融機関の目的ローン融資と販売業者の債務不履行――千葉地判平成28・10・13●井上健一……106
◇提訴期間を経過した新株発行無効の訴えが認容された事例――名古屋地判平成28・9・30●田中 亘……110
◇社債権者との償還期限延長合意の成否――東京地判平成28・4・11●三原秀哲……114
[労働判例研究]
◇起訴休職期間満了後の解雇の有効性――大阪大学事件――大阪地判平成29・9・25●小西康之……118
◇短時間・有期雇用の嘱託職員への退職金不支給の違法性――京都市立浴場運営財団ほか事件――京都地判平成29・9・20●水町勇一郎……122
[租税判例研究]
特定非営利活動法人における収益事業該当性――東京地判平成28・3・29●田中啓之……126
[渉外判例研究]
確定した執行決定のある仲裁判断と民事執行法35条1項の「裁判以外の債務名義」――東京高判平成29・5・18●岩本 学……130
[学会予告]
2018年度 春季学会予告……135