法律実務のパートナー
ジュリスト 2018年2月号(No.1515)
2018年01月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
企業のコーポレート・ガバナンスの実効性を高めるべく,大株主である機関投資家によるガバナンスが注目されています。本号の特集では,2017年5月のスチュワードシップ・コード改訂をふまえ,機関投資家によるガバナンスの現状と今後の課題について研究者・実務家双方の立場からの分析を加えます。
さらに,時論では2017年の金融商品取引法改正のテーマであるフェア・ディスクロージャー・ルールの理論的課題について検討しています。特集とあわせて,ご活用ください。
【特集】機関投資家とコーポレート・ガバナンス
◇特集にあたって●藤田友敬……14
◇スチュワードシップ・コードの理論的考察――機関投資家のインセンティブ構造の観点から●加藤貴仁……16
◇議決権行使結果の開示●三瓶裕喜……22
◇議決権行使助言会社の役割と今後の課題●北川哲雄……29
◇機関投資家との建設的対話●武井一浩……34
◇機関投資家とアクティビズム●田中 亘……40
[裁判官に聴く訴訟実務のバイタルポイント]〔第9回〕
民事保全●門口正人●小川直人●古谷健二郎……2
[会社法判例速報]
整備法14条3項の「総株主」――鳥取地判平成29・9・15●弥永真生……2
[労働判例速報]
起訴休職期間満了を契機とする解雇――大阪大学事件――大阪地判平成29・9・25●森戸英幸……4
[独禁法事例速報]
農協による組合員からの賦課金徴収等と優越的地位の濫用――阿寒農業協同組合に対する注意――公取委平成29・10・6発表●大東泰雄……6
[知財判例速報]
バカラ電子シュー立体商標事件――知財高判平成29・9・27●小林利明……8
[租税判例速報]
配当に係る所得税額の計算につき元本所有期間割合が争われた事例――国税不服審判所裁決平成29・1・26●平川英子……10
[連載/債権法改正と実務上の課題]〔第2回〕
消滅時効●鹿野菜穂子●高須順一……68
[連載/不動産法の最前線]〔第11回〕
高齢者の居住をめぐる現代的課題●矢田尚子……61
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第5回〕
報酬請求権としての著作権●前田 健……102
[時論]
フェア・ディスクロージャー・ルールの理論的課題●飯田秀総……56
[最高裁時の判例]
民事
◇責任を弁識する能力のない未成年者が,サッカーボールを蹴って他人に損害を加えた場合において,その親権者が民法714条1項の監督義務者としての義務を怠らなかったとされた事例――最一小判平成27・4・9●菊池絵理……81
◇市が土地開発公社の取得した土地をその簿価に基づき正常価格の約1.35倍の価格で買い取る売買契約を締結した市長の判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものとして違法となるとはいえないとされた事例――最一小判平成28・6・27●林 史高……85
◇じん肺管理区分が管理1に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者等が管理4に該当するとして提起した当該決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合における労働者災害補償保険法11条1項に規定する者による訴訟承継の成否――最一小判平成29・4・6●林 史高……90
刑事
◇同時傷害の特例を定めた刑法207条の法意/共犯関係にない2人以上の暴行による傷害致死の事案においていずれかの暴行と死亡との間の因果関係が肯定された場合と刑法207条の適用の可否――最三小決平成28・3・24●細谷泰暢……96
[経済法判例研究会]
排除措置命令取消訴訟執行停止申立事件における「重大な損害」――土佐あき農協執行停止申立事件――東京地決平成29・7・31●萩原浩太……104
[商事判例研究]
◇インサイダー取引規制における公表の意義――最一小決平成28・11・28●黒沼悦郎……108
◇ホテル内のマッサージ店による後遺障害と会社法9条類推適用――神戸地姫路支判平成28・2・10――大阪高判平成28・10・13●得津 晶……112
◇取締役の解任における正当な理由と解任による損害の範囲――東京地判平成29・1・26●エドアルド・メスキタ……116
[労働判例研究]
◇有期契約社員に対する賞与支給方法と労契法20条の不合理性――ヤマト運輸(賞与)事件――仙台地判平成29・3・30●神吉知郁子……120
◇妊娠中の女性労働者に対する解雇の効力――ネギシ事件――東京高判平成28・11・24●中窪裕也……124
[租税判例研究]
職務発明に関し承継後に支払われた補償金の一時所得該当性●長戸貴之……128
[渉外判例研究]
「自己の志望によつて」外国籍を取得したことから日本国籍の喪失が確認された事例――東京地判平成28・6・24●竹下啓介……132