法律実務のパートナー
ジュリスト 2017年8月号(No.1509)
2017年07月25日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
近年の世界的な研究・開発競争に対応するため,日本においても知財紛争処理システムの機能強化が検討されています。今号の特集では,特許紛争に関する最近の裁判例や法改正について,国内外の幅広い観点から考察を加えるとともに,紛争の現状をふまえた課題や制度改正に向けた動きについても展望しています。
また,時論のコーナーでは,いわゆる貧困ビジネスに関するさいたま地裁の判決や外国人の技能実習制度といった,最近話題になったテーマを取り上げています。
【特集】特許紛争の現代的課題
◇特集にあたって●小泉直樹……14
◇特許権侵害訴訟における証拠収集手続に関する立法の動向と実務上の問題●大野聖二……15
◇特許権侵害訴訟の国際裁判管轄●山内貴博……22
◇国境を越えた侵害関与者の責任●飯塚卓也……28
◇審決取消訴訟の審理範囲と拘束力――推移と展望●塩月秀平……34
◇公然実施をされた発明に基づく進歩性判断●黒川 恵……40
◇延長登録を受けた特許権の効力――研究者の視点から●井関涼子……46
◇延長登録を受けた特許権の効力――実務家の視点から●篠原勝美……53
[会社法判例速報]
不採算部門の事業継続と善管注意義務違反――名古屋地判平成29・2・10●弥永真生……2
[労働判例速報]
5条協議義務違反があり労働契約承継の効力を争いうるとした事例――エイボン・プロダクツ事件――東京地判平成29・3・28●竹内(奥野) 寿……4
[独禁法事例速報]
独占禁止法の適用と外国裁判所を指定する専属的管轄合意――東京地判平成28・10・6●横溝 大……6
[知財判例速報]
「虚偽の事実」を告知した者に対する損害賠償請求が棄却された事例――知財高判平成29・2・23●小林利明……8
[租税判例速報]
いわゆるマイルストンペイメントによる特許関連収入が雑所得であるとされた事例――大阪高判平成28・10・6●佐藤修二……10
[連載/不動産法の最前線]〔第5回〕
宅建業法の適用範囲に関する現代的な課題●髙川佳子……68
[連載/Book plaza]
法定相続情報証明制度を知っていますか?●長田和美……80
[時論]
◇生活保護受給者に宿泊場所等を提供する契約の有効性――いわゆる「無料低額宿泊所」をめぐる法的論点●笠木映里……60
◇外国人労働規制のゆくえ●早川智津子……74
[霞が関インフォ]消費者委員会
平成29年版消費者白書について●河上正二……58
[Information Lounge]
カタール危機と国際法●中谷和弘……66
[最高裁時の判例]
民事
◇訴訟の目的である金銭債権の数量的な一部に対応する訴え提起の手数料につき訴訟上の救助を付与する決定が確定した場合において,請求が上記数量的な一部に減縮された後の訴えを却下することの許否――最二小判平成27・9・18●大森直哉……81
◇再生債務者に対して債務を負担する者が自らと完全親会社を同じくする他の株式会社が有する再生債権を自働債権としてする相殺は,民事再生法92条1項によりすることができる相殺に該当するか――最二小判平成28・7・8●岡田紀彦……84
◇千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定の適法性/千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定の合憲性――最三小判平成28・10・18●中島 崇……87
◇地上建物に対する仮差押えが本執行に移行して強制競売手続がされた場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたが,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では同一の所有者に属していなかったときの法定地上権の成否――最一小判平成28・12・1●野村武範……91
◇専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合と民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」――最三小判平成29・1・31●中野琢郎……94
[経済法判例研究会]
独占禁止法と弁護士会による懲戒制度・弁護士自治――東京高判平成28・10・27●細田孝一……99
[商事判例研究]
◇入浴中の急死と疾病免責――東京地判平成27・12・14●石田清彦……103
◇大規模な上場会社に複雑な金融商品を販売する際の説明義務――社債の実質的ディフィーザンス――最三小判平成28・3・15●山中利晃……107
◇債務超過会社における全部取得条項付種類株式の取得価格――100%減資において取得価格が0円とされた例――大阪地決平成27・12・24●津野田一馬……111
[労働判例研究]
◇通常の労働時間の賃金算定における割増賃金相当額の控除の適否――国際自動車事件――最三小判平成29・2・28●竹内(奥野) 寿……115
◇通所介護記録に記載のないサービスに係る介護給付費返還命令――佐賀地判平成27・10・23●中野妙子……119
[租税判例研究]
相続財産評価に当たり私道供用宅地に該当するか否かが争われた事例――東京地判平成27・7・16●岩﨑政明……123
[渉外判例研究]
日本人間の子の扶養料に関するカリフォルニア州判決のわが国での執行――東京高判平成27・5・20●岩本 学……127