法律実務のパートナー
ジュリスト 2017年5月号(No.1506)
2017年04月25日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
「地球は青かった」――ガガーリン少佐による人類初の宇宙飛行から,半世紀以上が経過しました。いま,「宇宙ビジネス」がいよいよ現実的なものとなっています。
これを受けて,民間事業者等の宇宙活動に関する法整備が世界各国で進められるなか,日本においても「宇宙2法」が成立しました。その規制内容は,ロケットの打上げや人工衛星の管理,人工衛星により取得されるデータの管理等,多岐にわたります。
本特集ではこれを契機として、宇宙ビジネスにおけるルールの現状と展望を解説しました。人類にとって身近になりつつある「宇宙」との関わりを考えるにあたって,ぜひご活用ください。
【特集】宇宙ビジネスの活性化に向けたルール形成――民間の宇宙活動のこれから
◇[座談会]宇宙ビジネスをめぐる現状と課題●宇賀克也●笹岡愛美●佐藤雅彦●髙田修三●四元弘子……14
◇人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(宇宙活動法)の概要について●行松泰弘……27
◇衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律(衛星リモセン法)の概要について●佐藤耕平……34
◇宇宙活動法における損害賠償制度の検討●宇賀克也……39
◇宇宙資源開発をめぐる動向と法的課題●中谷和弘●米谷三以●藤井康次郎●水島 淳……46
[裁判官に聴く訴訟実務のバイタルポイント]〔第3回〕
建築訴訟(1)●門口正人●齋藤繁道●三輪方大……2
[会社法判例速報]
株主総会における質疑打切りと決議取消し――東京地判平成28・12・15●弥永真生……2
[労働判例速報]
時間外労働等をしても時間数に応じた賃金増額がない出来高払賃金の適法性――国際自動車事件――最三小判平成29・2・28●水町勇一郎……4
[独禁法事例速報]
石油製品元売業における並行的な統合計画に関する企業結合審査――公取委平成28・12・19発表●籔内俊輔……6
[知財判例速報]
延長登録された特許権の効力に関する知財高裁大合議判決――知財高判平成29・1・20●小泉直樹……8
[租税判例速報]
共同住宅等に係る不動産取得税減額特例戸数要件の判断基準――最一小判平成28・12・19●高野幸大……10
[連載/不動産法の最前線]〔第2回〕
外国人との不動産取引において理解すべき点と説明義務の履行など●柴田龍太郎……65
[連載/Book plaza]
これからのヒト・もの・コト●長田和美……64
[霞が関インフォ]消費者委員会
脆弱な消費者の保護と子どもに対する攻撃的広告●河上正二……62
[最高裁時の判例]
民事
◇株式会社を設立する新設分割と詐害行為取消権――最二小判平成24・10・12●谷村武則……72
◇外国国家が発行した円建て債券に係る償還等請求訴訟につき,当該債券の管理会社が任意的訴訟担当の要件を満たすものとして原告適格を有するとされた事例――最一小判平成28・6・2●松永栄治……76
◇自衛隊が設置し,海上自衛隊及びアメリカ合衆国海軍が使用する飛行場の周辺住民が,当該飛行場における航空機の運航による騒音被害を理由として自衛隊の使用する航空機の運航の差止めを求める訴えについて,行政事件訴訟法37条の4第1項所定の「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められた事例/自衛隊が設置し,海上自衛隊及びアメリカ合衆国海軍が使用する飛行場における自衛隊の使用する航空機の運航に係る防衛大臣の権限の行使が,行政事件訴訟法37条の4第5項所定の行政庁がその処分をすることがその裁量権の範囲を超え又はその濫用となると認められるときに当たるとはいえないとされた事例――最一小判平成28・12・8●棈松晴子……81
◇公有水面の埋立てが公有水面埋立法4条1項1号の要件に適合するとした県知事の判断に違法又は不当があるとはいえないとされた事例/公有水面の埋立てが公有水面埋立法4条1項2号の要件に適合するとした県知事の判断に違法又は不当があるとはいえないとされた事例/内閣総理大臣又は各省大臣が地方自治法245条の7第1項の是正の指示をすることができる場合/国土交通大臣が県に対し公有水面の埋立ての承認の取消しが違法であるとしてこれを取り消すよう是正の指示をしたにもかかわらず,県知事が当該承認の取消しを取り消さなかったことについて,地方自治法251条の7第1項にいう相当の期間が経過したとされた事例――最二小判平成28・12・20●衣斐瑞穂……87
刑事
◇刑訴法278条の2第3項に規定する過料の制裁と憲法31条,37条3項――最三小決平成27・5・18●駒田秀和……93
[経済法判例研究会]
タクシー公定幅運賃訴訟――ワンコインドーム事件控訴審――大阪高判平成28・6・30●友岡史仁……96
[商事判例研究]
◇外観が同一である新会社につき法人格の濫用が認められた事例――東京地判平成27・10・8●野田耕志……100
◇企業提携契約の実質を有する「株主間協定」に基づく責任追及――大阪地判平成28・2・19●朱 大明……104
◇信販会社による代位弁済と破産手続における留保所有権の行使――札幌地判平成28・5・30●伊藤 隼……108
[労働判例研究]
◇私生活上の性的非違行為と懲戒解雇の可否――東京メトロ事件――東京地判平成27・12・25●岩出 誠……112
◇労働審判の対象「労働関係に関する事項」の意義――大阪高決平成26・7・8●宮里邦雄……116
[租税判例研究]
受贈不動産につき建替え前マンションの比準価格を重視する鑑定評価を認めなかった事例――東京高判平成27・12・17●浅妻章如……119
[渉外判例研究]
船舶先取特権の準拠法および船舶の物権準拠法――神戸地決平成28・1・21●嶋 拓哉……123
[学会予告]
2017年度 春季学会予告……127