法律実務のパートナー
ジュリスト 2016年7月号(No.1495)
2016年07月01日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
平成18(2006)年の「会社法」施行から今年で10年、この間、学説・実務・裁判例・ソフトローには様々な展開があり、平成27(2015)年には一部改正法が施行されました。特集では、10年間の会社法制の変遷の意義を振り返り、新たな動きと残された課題の分析を試みます。先月号からスタートの新コーナー「新法の要点」では、昨年の金融商品取引法改正を紹介。
【特集】会社法施行10年の実情と課題
◇特集にあたって●神田秀樹……14
◇上場会社による種類株式の利用●加藤貴仁……15
◇コーポレート・ガバナンスと社外取締役の位置づけ●前田雅弘……21
◇監査等委員会設置会社の現状と課題●神田秀樹●山中利晃……27
◇取締役報酬に関する規律の現状と課題●伊藤靖史……33
◇会社補償及びD&O保険の最新動向と課題●武井一浩……39
◇株主総会に関する法制の現状と課題●尾崎安央……45
◇子会社管理義務をめぐる理論的課題●舩津浩司……51
◇キャッシュアウトの合理性を活かす法制度の構築●飯田秀総……57
◇組織再編法制●中東正文……63
[HOT issue]
〔No.14〕日本の職務発明制度と平成27年改正●竹田 稔●中山信弘……2
[会社法判例速報]
新株発行事項の通知の欠缺と新株発行――大阪地判平成27・12・18●弥永真生……2
[労働判例速報]
職務内容,職務内容・配置の変更範囲が同一の定年後再雇用における労働契約法20条違反の成否――長澤運輸事件――東京地判平成28・5・13●竹内(奥野) 寿……4
[独禁法事例速報]
対象商品が国外で供給された価格協定への独禁法適用を認めた判決――東京高判平成28・4・13/東京高判平成28・4・22●滝澤紗矢子……6
[知財判例速報]
均等の要件――知財高判平成28・3・25●小泉直樹……8
[租税判例速報]
法人税法132条の2の「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」の意義と該当性――最一小判平成28・2・29●岡村忠生……10
[新法の要点]
金融商品取引法の一部を改正する法律――プロ向けファンド制度の見直し●松尾健一……76
[連載/国際ビジネス紛争処理の法実務]〔第4回〕国際裁判管轄(3)――不法行為地管轄
◇INTRODUCTION●道垣内正人●古田啓昌……84
◇営業秘密侵害と不法行為地管轄●川合弘造●根本 拓……85
◇共同不法行為と不法行為地管轄●山内貴博……88
[霞が関インフォ]
消費者委員会―消契法・特商法改正法の成立(1)――消契法改正●河上正二……82
[最高裁時の判例]
民事
◇共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま権利が行使された場合における同条ただし書の株式会社の同意の効果/共有に属する株式についての議決権の行使の決定方法――最一小判平成27・2・19●冨上智子……92
◇保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合における共同保証人間の求償権の消滅時効中断の有無――最一小判平成27・11・19●齋藤 毅……96
◇精神障害者と同居する配偶者と民法714条1項にいう「責任無能力者を監督する法定の義務を負う者」/法定の監督義務者に準ずべき者と民法714条1項の類推適用/線路に立ち入り列車と衝突して鉄道会社に損害を与えた認知症の者の妻が法定の監督義務者に準ずべき者に当たらないとされた事例/線路に立ち入り列車と衝突して鉄道会社に損害を与えた認知症の者の長男が法定の監督義務者に準ずべき者に当たらないとされた事例――最三小判平成28・3・1●山地 修……99
刑事
◇約款で暴力団員からの貯金の新規預入申込みを拒絶する旨定めている銀行の担当者に暴力団員であるのに暴力団員でないことを表明,確約して口座開設等を申し込み通帳等の交付を受けた行為が,詐欺罪に当たるとされた事例――最二小決平成26・4・7●駒田秀和……105
◇検察官の執行指揮に基づく納付告知及び督促があったときの訴訟費用負担の裁判の執行に関する異議申立ての許否――最二小決平成27・2・23●野原俊郎……108
[経済法判例研究会]
関連会社を通じてカルテル対象商品を販売する場合の行為主体と売上額――富士電線工業事件――公取委審判審決平成27・5・22●大槻文俊……111
[商事判例研究]
◇架空のコンサルティング契約の認定と取締役の善管注意義務違反――名古屋地判平成27・6・30●髙橋美加……115
◇定款変更株主提案の違法性,提案理由における「虚偽」の意義――東京地決平成25・5・10●久保大作……119
◇「著しく不公正な方法」による募集株式の発行――仙台地決平成26・3・26●プームパット・ウドムスワンナクン……123
[労働判例研究]
◇有期・無期契約労働者間の賃金格差の労契法20条違反性――ハマキョウレックス事件――大津地彦根支判平成27・9・16●水町勇一郎……127
◇混合組合の法的性格・任期付公務員の任用更新にかかる団交拒否――国・中労委(大阪府教委・大阪教育合同労組)事件――東京高判平成26・3・18●川田琢之……131
[租税判例研究]
牛枝肉の問屋でもリスク負担者である場合貸倒れの仕入税額控除を主張できる――大阪地判平成25・6・18●浅妻章如……135
[渉外判例研究]
外国法人である被告が口頭弁論期日に一度も出頭しなかった場合の取扱い――東京地判平成24・12・26●山田恒久……139