法律実務のパートナー
ジュリスト 2016年6月号(No.1494)
2016年05月25日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
今なお,多数の日本企業が中国へ進出する一方,中国事業の「仕切り直し」を余儀なくされる日本企業も存在します。本特集では,現地法人の再編・撤退をScrap & Buildの一環という積極的な意義でとらえ,中国で実務に携わってきた先生方に,その実務的な留意点をご解説いただきました。
新欄「新法の要点」では,女性活躍推進法について,企業での留意点をご解説いただいております。知的財産ガイドラインについてご解説いただいた「時論」にも、ご注目ください。
【特集】中国拠点の再構築――現地法人の再編・撤退の実務を中心に
◇中国現地法人の再編・撤退に関する最新実務――中国経済の環境変化を踏まえて●野村高志……14
◇持分譲渡による撤退●藤本 豪……21
◇現地法人の解散・清算の実務とその留意点●張 和伏●陳 宏……28
◇中国事業の再編・撤退に伴うリストラの法的根拠及び実務的問題点●董 輝●陳 軼凡……35
◇初期型外商投資企業が有する不動産の問題点――経営期間・土地使用期間の満了と事業継続問題を中心に●中島あずさ……42
[会社法判例速報]
ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えの適否――最二小判平成28・3・4●弥永真生……2
[労働判例速報]
海外勤務者に対する労災保険による保護の有無――中央労働基準監督署長事件――東京高判平成28・4・27●小西康之……4
[独禁法事例速報]
企業結合の当事会社と結合関係にある事業者からの競争圧力を認定した事例――公取委平成28・1・28発表●中野雄介……6
[知財判例速報]
ウェブサイトを利用した場合の「譲渡等の申出」――知財高判平成28・2・9●黒田 薫……8
[租税判例速報]
法人税法132条1項の不当減少性要件の解釈とその射程――最一小決平成28・2・18●太田 洋……10
[新法の要点]
女性活躍推進法の制定●小畑史子……50
[時論]
知的財産ガイドラインの一部改正――原案から成案への変更点及び実務への影響●岡田 誠……58
[連載/国際ビジネス紛争処理の法実務]〔第3回〕国際裁判管轄(2)――義務履行地管轄・支店所在地管轄・doing business管轄
◇INTRODUCTION●道垣内正人●古田啓昌……66
◇国際裁判管轄――義務履行地管轄●前田康行……67
◇義務履行地管轄・支店所在地管轄・doing business管轄●関戸 麦……70
[霞が関インフォ]
消費者委員会―トクホ食品の在り方に関する建議について●河上正二……56
[最高裁時の判例]
〔民事〕
◇根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債務に係る債権の譲渡が元本確定期日前にされた場合に譲受人が保証債務の履行を求めることの可否――最二小判平成24・12・14●畑 佳秀……74
◇公序良俗に反する無効な出資と配当に関する契約により給付を受けた金銭の返還につき,当該給付が不法原因給付に当たることを理由として拒むことは信義則上許されないとされた事例――最三小判平成26・10・28●畑 佳秀……78
◇遺言者が自筆証書である遺言書の文面全体に故意に斜線を引く行為が民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し遺言を撤回したものとみなされた事例――最二小判平成27・11・20●飛澤知行……83
〔刑事〕
◇暴力団関係者の利用を拒絶しているゴルフ場において暴力団関係者であることを申告せずに施設利用を申し込む行為が,詐欺罪にいう人を欺く行為に当たらないとされた事例――最二小判平成26・3・28●野原俊郎……86
◇入会の際に暴力団関係者を同伴しない旨誓約したゴルフ倶楽部会員において,同伴者が暴力団関係者であることを申告せずに同人に関するゴルフ場の施設利用を申し込み,施設を利用させた行為が,刑法246条2項の詐欺罪に当たるとされた事例――最二小決平成26・3・28●野原俊郎……91
[経済法判例研究会]
国際カルテル事件における需要者概念と課徴金算定のあり方――ブラウン管カルテル事件(サムスンSDIマレーシア)控訴審――東京高判平成28・1・29●伊永大輔……96
[商事判例研究]
◇取締役を解任する株主総会決議の効力停止の仮処分――名古屋高決平成25・6・10●神田秀樹……100
◇会社による取締役の責任追及訴訟と株主の和解無効確認の利益――東京地判平成26・11・6●顧 丹丹……103
◇システム開発契約における検収拒絶が債務不履行にあたるとされた事例――東京地判平成26・10・30●張 韻琪……107
[労働判例研究]
◇妊娠中の軽易業務転換を契機とする降格の適法性――広島中央保健生協(C生協病院・差戻審)事件――広島高判平成27・11・17●両角道代……111
◇育児休業後の不就労についての帰責性――出水商事事件――東京地判平成27・3・13●石﨑由希子……115
[租税判例研究]
インターネット販売業者のアパート及び倉庫が日米租税条約上の恒久的施設に該当するとされた事例――東京地判平成27・5・28●藤谷武史……119
[渉外判例研究]
詐害行為取消権の準拠法,外国不動産の抹消登記請求と専属管轄条項の関係――東京地判平成27・3・31●嶋 拓哉……123