法律実務のパートナー
ジュリスト 2016年1月号(No.1488)
2015年12月25日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
特許法、商標法、不正競争防止法、それぞれ改正がなされ、「新しい商標」については運用も始まっています。また、新たな保護制度創設のための地理的表示法の制定、TPP協定大筋合意を受けての著作権法改正へ向けた議論など、知的財産法制をめぐって様々に動きがみられています。国内外の社会経済情勢が大きく変化する中で,わが国の知的財産法制・戦略は,どうあるべきか。本特集では、多岐にわたる諸課題を取り上げ,ご解説いただきました。
HOT issueでは、経済産業省「外国公務員贈賄防止指針」の改訂を受けて、「外国公務員等への贈賄リスク」をテーマにご対談いただきました。各企業における体制整備にあたって、ぜひご活用ください。
【特集】知的財産法制の動向と課題
◇企画の趣旨●小泉直樹……14
◇職務発明制度の改正について●片山英二●服部 誠……17
◇職務発明における「相当の利益」●高橋 淳……23
◇新しいタイプの商標の出願・審査状況について●佐藤俊司……29
◇営業秘密の保護に関する平成27年改正不正競争防止法(民事面)と管理指針(全部改訂)の概略●林 いづみ……38
◇営業秘密侵害罪に関する不正競争防止法の改正●菅 尋史……44
◇地理的表示法の概要と今後の課題について●今村哲也……51
◇TPP協定と著作権法●上野達弘……58
[HOT issue]〔No.13〕
外国公務員等への贈賄リスク――経産省・贈賄防止指針の改訂を受けて●木目田 裕●古本省三……2
[会社法判例速報]
正当な理由のない解任――東京地判平成27・6・22●弥永真生……2
[労働判例速報]
賃金減額を伴う職種変更の同意の有効性――西日本鉄道事件――福岡高判平成27・1・15●大内伸哉……4
[独禁法事例速報]
対象商品の販売経路に複数の事業者がある場合の不当な取引制限の主体――公取委審判審決平成27・5・22●秋葉健志……6
[知財判例速報]
「同一の事実及び同一の証拠」の範囲――知財高判平成27・8・26●黒田 薫……8
[租税判例速報]
匿名組合契約に基づき分配された損益の所得分類と国税通則法65条4項にいう「正当な理由」の判断――最二小判平成27・6・12●酒井貴子……10
[連載/行政法の最前線]〔第9回〕
産廃紛争における非申請型義務付けの訴え●越智敏裕……80
[連載/新興国コンプライアンス最前線]〔第13回〕ロシア
日本人派遣のストラクチャー●松嶋希会……86
[霞が関インフォ]消費者委員会
特定商取引法改正の動向(専門調査会「中間整理」から)●河上正二……78
[最高裁時の判例]
民事
◇女性労働者につき妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置の,「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」9条3項の禁止する取扱いの該当性――最一小判平成26・10・23●市原義孝……94
◇個人住民税の所得割に係る賦課決定の期間制限の特例を定める地方税法(平成25年法律第3号による改正前のもの)17条の6第3項3号にいう決定,裁決又は判決があった場合の意義――最三小判平成27・5・26●林 俊之……97
◇異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした債務者が,譲渡人に対抗することができた事由をもって譲受人に対抗することができる場合――最二小判平成27・6・1●廣瀬 孝……100
刑事
◇売買代金が時価相当額であったとしても,土地の売買による換金の利益が賄賂に当たるとされた事例――最一小決平成24・10・15●小森田恵樹……103
◇最高裁判所がした訴訟終了宣言の決定に対する不服申立ての許否――最二小決平成27・2・24●野原俊郎……107
[経済法判例研究会]
カルテル合意後の実行行為を基礎として,国際的執行を認めた事例――ブラウン管事件(CRT事件)審決――公取委審判審決平成27・5・22●越知保見……111
[商事判例研究]
◇貸金業者の代表取締役の過払金請求権者に対する責任――大阪地判平成27・5・8●本多正樹……116
◇商法266条1項5号に基づく損害賠償と遅延損害金の利率――福岡魚市場株主代表訴訟事件最高裁判決――最一小判平成26・1・30●堀田佳文……120
◇不動産流動化の会計処理に係る取締役の責任と株主代表訴訟――東京高判平成26・4・24●津野田一馬……124
[労働判例研究]
◇休職期間満了時の復職判断に関する就業規則変更による復職拒否――アメックス(休職期間満了)事件――東京地判平成26・11・26●木下潮音……128
◇時効特例給付の支給要件と消滅時効の主張についての信義則違反――時効特例給付不支給事件――大阪地判平成26・5・29●嵩 さやか……132
[租税判例研究]
残余利益分割法を用いた移転価格課税が違法とされた事例――東京地判平成26・8・28●駒宮史博……136
[渉外判例研究]
条件付きの専属管轄合意と「特別の事情」による訴え却下――京都地中間判平成27・1・29●高橋宏司……140