法律実務のパートナー
ジュリスト 2015年10月号(No.1485)
2015年09月25日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
本年6月、プロダクト・バイ・プロセス・クレーム(PBPクレーム)の解釈に関し最高裁判所が実務に大きな影響を与える判断を示しました。また知財紛争処理制度の見直しへの議論も進み、同月の「知的財産推進計画2015」決定へと至っています。「特集 知財紛争を取り巻く動き」では、中国・インドの状況も含め、侵害訴訟を中心に、特許権に係る最新動向をまとめています。
【特集】知財紛争を取り巻く動き――国内外の最新状況
◇特集にあたって●小泉直樹……14
◇PBPクレーム最高裁判決のインパクト――最二小判平成27・6・5●岩坪 哲……18
◇PBPクレーム最高裁判決と今後の実務上の課題●南条雅裕……26
◇証拠収集手続の強化・権利の安定性(無効の抗弁)に関する立法の動向●大野聖二……35
◇損害賠償額の算定について●吉田和彦……42
◇中国における特許権侵害訴訟の実務●分部悠介●本橋たえ子……49
◇インドにおける特許実務の現状と課題――特許権侵害訴訟を中心として●小川 聡……57
[会社法判例速報]
事前開示の懈怠と株式交換無効――神戸地尼崎支判平成27・2・6●弥永真生……2
[労働判例速報]
労働委員会の救済命令の裁量と私法規範との整合性――平成タクシー事件――広島高判平成26・9・10●大内伸哉……4
[独禁法事例速報]
課徴金導入後初の公取委審決において返品・減額による濫用行為を優越的地位の認定に用いた事例――日本トイザらス事件――公取委審判審決平成27・6・4●池田 毅……6
[知財判例速報]
特許査定の取消し・無効――知財高判平成27・6・10●小泉直樹……8
[租税判例速報]
現地税恩典利益を考慮せず行った移転価格課税が違法とされた事例――東京高判平成27・5・13●髙久隆太……10
[時論]
◇渋谷区条例の意義――パートナーシップから同性婚へ●山下純司……66
◇大都市制度と住民自治――制度化に向けた論点と課題●伊藤正次……74
[連載/行政法の最前線]〔第7回〕
アスベスト国賠訴訟における行政法の論点●下山憲治……81
[連載/新興国コンプライアンス最前線]〔第10回〕
アラブ首長国連邦/UAE進出後に問題となる諸法律●森下真生……88
[霞が関インフォ]消費者委員会
サーバ型電子マネー問題及び商業施設内遊戯施設の安全に関する2つの「建議」●河上正二……64
[最高裁時の判例]
〔民事〕
◇再生債務者と別除権者との間で締結された別除権の行使等に関する協定における同協定の解除条件に関する合意が,再生債務者がその再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定を受けた時から同協定が効力を失う旨の内容をも含むものとされた事例――最一小判平成26・6・5●山地 修……94
◇土地又は家屋につき賦課期日の時点において登記簿又は補充課税台帳に登記又は登録がされていない場合における,賦課決定処分時までに賦課期日現在の所有者として登記又は登録されている者の固定資産税の納税義務の有無――最一小判平成26・9・25●中丸 隆……97
◇非上場会社が株主以外の者に発行した新株の発行価額が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ2第2項にいう「特ニ有利ナル発行価額」に当たらない場合――最一小判平成27・2・19●廣瀬 孝……100
〔刑事〕
◇少年の被疑事件につき一旦は嫌疑不十分を理由に不起訴処分にするなどしたため家庭裁判所の審判を受ける機会が失われた後に事件を再起してした公訴提起が無効であるとはいえないとされた事例――最三小決平成25・6・18●野原俊郎……103
◇公判前整理手続で明示された主張に関しその内容を更に具体化する被告人質問等を刑訴法295条1項により制限することはできないとされた事例――最二小決平成27・5・25●石田寿一……109
[経済法判例研究会]
包括徴収の人為性と「排除」行為該当性――JASRAC事件最高裁判決――最三小判平成27・4・28●林 秀弥……112
[商事判例研究]
◇指定銀行による信用状の「買取」と発行銀行への補償請求――東京地判平成24・5・11●井上健一……116
◇公益財団法人における役員選任決議の瑕疵――評議員の議案提案権を制限する定款――東京高決平成26・3・31●山本哲生……119
◇臨時報告書等の虚偽記載と取締役・監査役の損害賠償責任――東京地判平成24・6・22●朱 翹楚……123
[労働判例研究]
◇再就職支援のための出向受入事業――日本雇用創出機構事件――東京地判平成26・9・19●濱口桂一郎……127
◇児童手当を原資とする預金債権に対する地方税滞納処分の適法性――広島高松江支判平成25・11・27●中野妙子……131
[租税判例研究]
会員制リゾートクラブの入会時費用につき物品切手等として消費税が不課税とされた事例――東京地判平成26・2・18●岩﨑政明……135
[渉外判例研究]
相続財産の構成を巡る法の適用関係――東京地判平成26・7・8●嶋 拓哉……139
[学会予告]
2015年度 秋季学会予告……143