法律実務のパートナー
ジュリスト 2015年5月号(No.1480)
2015年04月25日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
運用開始から10年目を迎える労働審判制度。個別労働紛争が増えるなか,本制度の新受件数は,いまや通常訴訟より多くなっています。多くの利用者から高い評価を得ている本制度は,どのように運用され,紛争の「迅速・適正かつ実効的な解決」に貢献してきたのか。また,今後に向けた課題とは。3本のご論攷と2本の座談会で,制度の実績からみる成果と課題をご検討いただきました。
【特集】労働審判10年――実績から見る成果と課題
◇個別労働紛争解決システムにおける労働審判制度●山川隆一……14
◇[座談会]労働審判創設10年――労働審判制度の評価と課題●菅野和夫●佐々木宗啓●品田幸男●水口洋介●和田一郎……19
◇現場から見た労働審判の10年●山川隆一●及川 彰●平井洋行●村上陽子●山中庸右……43
◇労働審判事例の分析●竹内(奥野) 寿……62
◇これからの個別労働紛争の解決システムのあり方●濱口桂一郎……68
[会社法判例速報]
準共有株式に係る議決権行使――最一小判平成27・2・19●弥永真生……2
[労働判例速報]
職場における性的発言等を理由とした懲戒処分の有効性――L館事件――最一小判平成27・2・26●水町勇一郎……4
[独禁法事例速報]
施主代行者が受注予定者を指定するなどしたことが支配型私的独占とされた事例――福井県経済農業協同組合連合会事件――公取委命令平成27・1・16●大東泰雄……6
[知財判例速報]
平成16年改正法下での職務発明の相当の対価の算定――東京地判平成26・10・30●田中浩之……8
[租税判例速報]
賦課期日において課税台帳に登録されていない家屋に係る固定資産税の納税義務――最一小判平成26・9・25●渋谷雅弘……10
[連載/行政法の最前線]
〔第2回〕行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律について●上村 進●宇賀克也……74
[連載/新興国コンプライアンス最前線]〔第5回〕タイ
外資規制に関する最新動向とその対応策●佐々木将平……84
[霞が関インフォ]消費者委員会
民法(債権関係)改正要綱――とくに「定型約款」について●河上正二……82
[最高裁時の判例]
民事
◇不動産の取得時効の完成後,所有権移転登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合における,再度の取得時効の完成と上記抵当権の消長――最二小判平成24・3・16●川畑正文……90
刑事
◇刑訴法448条2項による刑の執行停止決定に対する不服申立ての方法――最三小決平成24・9・18●野原俊郎……95
◇傷害致死の事案につき,懲役10年の求刑を超えて懲役15年に処した第1審判決及びこれを是認した原判決が量刑不当として破棄された事例――最一小判平成26・7・24●楡井英夫……99
[経済法判例研究会]
タクシー運賃変更命令等行政処分の仮差止め決定に対する抗告事件――大阪高決平成27・1・7●渡辺昭成……103
[商事判例研究]
◇解任された医療法人理事の残存任期報酬の扱い――札幌地判平成24・4・18●松井秀征……107
◇コンビニでの見切り販売の制限行為の判断基準と損害賠償請求――優越的地位の濫用と独禁法25条訴訟――東京高判平成26・5・30●洪 淳康……111
◇新設分割に対する否認権の行使――東京地判平成24・1・26●孫 創洲……115
[労働判例研究]
◇労働者の自殺についての使用者および上司の損害賠償責任――公立八鹿病院組合ほか事件――鳥取地米子支判平成26・5・26●高橋奈々……119
◇雇用保険法上の労働者の意義――国・大阪西公共職業安定所長事件――福岡高判平成25・2・28●中益陽子……123
[租税判例研究]
法人税法34条1項2号にいう事前確定届出給与該当性の可否――東京地判平成24・10・9●渡辺徹也……127
[渉外判例研究]
ナイジェリア人の相続問題と反致,準拠外国法の不明――大阪地判平成25・3・21●種村佑介……131
[学会予告]
受贈図書・2015年度 春季学会予告……135