法律実務のパートナー
ジュリスト 2014年9月号(No.1471)
2014年08月25日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
シンジケート・ローンは資金調達手段として市場に定着する一方,特有の法律問題も広く指摘されています。アレンジャーの情報提供責任について最高裁が示した判断が実務に大きなインパクトを与えるなか、特集では、これら複雑かつ先端的な問題を,民商法の基本的法理に立ち戻って整理していただきました。時論では、最高裁平成26年7月17日判決を契機に、補足意見・反対意見も丁寧に読み込みながら「法における親子の意味」について考えます。
【特集】シンジケート・ローンをめぐる問題点
◇特集にあたって●道垣内弘人……12
◇アレンジャー・エージェントの情報提供義務●川口恭弘……13
◇借り手の情報提供義務●潮見佳男……18
◇期限の利益の喪失●鎌野邦樹……24
◇シンジケート・ローンにおけるアレンジャーとエージェントの免責●北居 功……30
◇アレンジャーの利益相反行為●田澤元章……37
◇エージェントの利益相反行為●今井克典……43
◇シンジケート・ローンと担保●青山大樹……49
◇ローン債権の移転●森下哲朗……55
[会社法判例速報]
取消原因のある総会決議の効力停止の仮処分――名古屋高決平成25・6・10●弥永真生……2
[独禁法事例速報]
優越的地位濫用の対象者全てにつき取引先変更が困難とされた事例――ダイレックス事件――公取委命令平成26・6・5●籔内俊輔……4
[知財判例速報]
部材の譲渡と黙示の承諾――知財高判平成26・5・16●小泉直樹……6
[租税判例速報]
「ゆうメール」による納税申告書の提出につき国税通則法22条の適用がないとされた事例――国税不服審判所裁決平成25・7・26●田中啓之……8
[時論]
法における親子の意味――最高裁平成26年7月17日判決を契機に●窪田充見……66
[連載/労働法なう。]〔第6回〕
やめろと言われても●森戸英幸……73
[連載/企業法務 独禁法事例コレクション]〔第9回〕
不当廉売・差別対価●藤井康次郎……81
[海外法律実務便り]
フランス―フランスと欧州におけるCSR報告書の義務化●永澤亜季子……64
[最高裁時の判例]
◇〔民事〕単独であれば保険診療となる療法と先進医療であり自由診療である療法とを併用する混合診療における保険診療に相当する診療部分に係る保険給付の可否――最三小判平成23・10・25●菊池 章……89
◇〔刑事〕卒業式の開式直前に保護者らに対して大声で呼び掛けを行い,これを制止した教頭らに対して怒号するなどし,卒業式の円滑な遂行を妨げた行為をもって刑法234条の罪に問うことが,憲法21条1項に違反しないとされた事例――最一小判平成23・7・7●小森田恵樹……96
[経済法判例研究会]
独禁法の適用除外対象外行為とされた海運カルテル――公取委排除措置命令平成26・3・18――公取委課徴金納付命令平成26・3・18●田平 恵……100
[商事判例研究]
◇子会社管理に関する取締役の義務――福岡魚市場株主代表訴訟事件福岡地裁判決――福岡地判平成23・1・26●大杉謙一……104
◇事業譲渡の否認と譲受人の不法行為との関係――東京高判平成25・12・5●髙橋美加……108
◇会社・株主間の株式譲渡の合意と自己株式取得の効力――大阪地判平成25・4・16――大阪高判平成25・9・20●潘 阿憲……112
[労働判例研究]
◇キャリアコース・処遇体系に関する就業規則の不利益変更の効力――X銀行事件――東京地判平成25・2・26●櫻庭涼子……116
◇休職期間満了時における労務提供可能性判断と主張立証責任――第一興商(本訴)事件――東京地判平成24・12・25●石﨑由希子……120
[租税判例研究]
不法原因給付に該当して返還を求め得ない債権の貸倒損失――福岡高判平成23・9・8●佐藤英明……124