法律実務のパートナー
ジュリスト 2014年7月号(No.1469)
2014年06月25日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
営業秘密侵害に関する報道が相次ぎました。企業の活動に多大な影響を及ぼしかねないケースもある中で,平時あるいは訴訟になった場合それぞれの局面で,何をどのように行うべきか,あるいはできるのか。営業秘密をめぐっては,法や指針の整備により保護が図られてきたものの,制度運用の面では,なお議論すべき事柄も多く残ります。4月には知的財産戦略本部でタスクフォース報告書がとりまとめられましたが,今後どのようにあるべきか,更なる検討に期待が持たれます。本号特集では,今後へ向け,現在の到達点を把握・分析し,道筋を探っていただきました。
【特集】営業秘密 その現状と向かう先
◇〔座談会〕営業秘密をめぐる現状と課題●小泉直樹●清水 節●田村善之●長澤健一●三村量一……12
◇営業秘密をめぐる判例分析――秘密管理性要件を中心として●松村信夫……32
◇営業秘密保護をめぐる民事上の救済手続の評価と課題●髙部眞規子……42
◇営業秘密をめぐる刑事上の保護について●佐藤力哉●海野圭一朗……50
◇営業秘密の保護と労働者の職業選択の自由●小畑史子……58
[会社法判例速報]
種類株主総会決議の取消し――東京地判平成26・4・17●弥永真生……2
[独禁法事例速報]
独禁法適用除外の届出内容に合致しない行為と不当な取引制限――自動車海運カルテル事件●――公取委命令平成26・3・18●井本吉俊……4
[知財判例速報]
審決の確定効が及ぶ「同一の証拠」の範囲――知財高判平成26・3・13●小泉直樹……6
[租税判例速報]
英国領バミューダ諸島法に基づくリミテッド・パートナーシップの租税法上の法人該当性――東京高判平成26・2・5●伊藤剛志……8
[連載/労働法なう。]〔第4回〕
メンタルヘルスをめぐる法的迷宮●水町勇一郎……66
[連載/企業法務 独禁法事例コレクション]〔第7回〕
排他的取引●多田敏明……76
[霞が関インフォ]消費者委員会
景表法への課徴金制度の導入について(続報)●河上正二……74
[海外法律実務便り]
フランス―フランス労働法の特色●永澤亜季子……84
[最高裁時の判例]
民事
◇民訴法38条後段の要件を満たす共同訴訟につき同法7条ただし書により同法9条の適用が排除されるか――最二小決平成23・5・18●市川多美子……86
◇有価証券報告書等に虚偽の記載がされている上場株式を取引所市場において取得した投資者が当該虚偽記載がなければこれを取得しなかった場合における,上記投資者に生じた当該虚偽記載と相当因果関係のある損害の額/有価証券報告書等に虚偽の記載がされている上場株式を取引所市場において取得した投資者が当該虚偽記載がなければこれを取得しなかった場合における,当該虚偽記載の公表後のいわゆるろうばい売りによる上場株式の市場価額の下落による損害と当該虚偽記載との相当因果関係――最三小判平成23・9・13●中村さとみ……89
◇保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合に保証人が取得する求償権の破産債権該当性/保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合に保証人が取得する求償権を自働債権とする相殺の可否――最二小判平成24・5・28●柴田義明……93
[経済法判例研究会]
物理的妨害による取引妨害の事例――神鉄タクシー事件――神戸地判平成26・1・14●渕川和彦……96
[商事判例研究]
◇組合型投資ファンドの一任契約該当性と解散請求――東京地判平成24・2・29●小林俊明……100
◇監査役の対会社責任と責任限定契約の適用――大阪地判平成25・12・26●高橋 均……104
◇権利行使者の指定のない共有株式の議決権行使と会社による同意――東京高判平成24・11・28●梅村 悠……108
[労働判例研究]
◇使用者による労働協約の解約と協約失効後の労働条件――音楽之友社事件――東京地判平成25・1・17●峰 隆之……112
◇書面にない指示への違反を理由とする生活保護廃止決定の適法性――大阪高判平成24・11・9●中野妙子……116
[租税判例研究]
譲渡所得の要件と職務発明の「相当の対価」に関する和解金――大阪高判平成24・4・26●神山弘行……120