法律実務のパートナー
ジュリスト 2012年12月号(No.1448)
2012年11月24日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
時代の流れとともにライフスタイルも多様化してきました。「働き方」も例に漏れず、正社員を中心とした日本型雇用システムは、正社員と有期労働契約者の協同によるものへと移り変わり、従来予期しなかった問題も発生してきているところです。12月号のジュリスト特集では、こういった問題の克服に向け、先の労働契約法改正で導入された「有期労働契約の無期化」等、新しい労働契約ルールの意義と課題を検証します。
また、巻頭グラビア「TOP RUNNER」は、法制審議会会長の野村豊弘先生にご登場いただきます。立法審議の過程で学者に求められる『公正中立性』をどのように保つべきか、といった興味深いお話が伺えます。是非ご一読ください。
【特集】労働契約法改正と新しい労働契約ルール ◇目次……11
◇〔鼎談〕2012年労働契約法改正――有期労働規制をめぐって●岩村正彦●荒木尚志●島田陽一……12
◇労働契約法改正の概要●厚生労働省……39
◇法定化された雇止め法理(法19条)の解釈論上の課題●ゴン 敏……46
◇有期労働契約の無期化●原 昌登……52
◇不合理な労働条件の禁止――正規・非正規労働者間の待遇格差●阿部未央……58
◇労働契約法改正の意義・評価と解釈・適用上の問題――労働者側弁護士の立場から●宮里邦雄……64
◇労働契約法改正の評価と実務上の問題点――使用者側弁護士の立場から●中山慈夫……69
[TOP RUNNER] 〔No.12〕●野村豊弘……1
[会社法判例速報] 会社分割と詐害行為取消し――最二小判平成24・10・12●弥永真生……2
[独禁法事例速報] 旅客航空運送事業における共同出資会社設立による出資者間の企業結合――公取委平成24・6・20 発表●中山龍太郎……4
[知財判例速報] 医薬品の組合せ特許の間接侵害――大阪地判平成24・9・27●小泉直樹……6
[租税判例速報] 株式保有特定会社の数値基準の合理性――東京地判平成24・3・2●渋谷雅弘……8
[連載/担保・執行・倒産の現在]〔第12回〕 主たる債務者の倒産後における,委託なき保証人の求償権と相殺●小林信明……76
[連載/特許法のフロンティア]〔第12回・完〕 消尽●小泉直樹……84
[霞が関インフォ] 消費者安全法一部改正――消費者事故調の設置●河上正二……74
[海外法律実務便り]アメリカ 米国のM&A契約実務に関する最近のトピックス――サンドバッギングと表明保証保険●清水 誠……82
[最高裁時の判例]〔民事〕
◇都市基盤整備事業を行う法人が特定の地域において指名競争入札の方法により発注する一定規模以上の土木工事について複数のゼネコンがした受注予定者の決定等に関する合意が,独禁法(平成14年法律第47号による改正前のもの)2条6項所定の「不当な取引制限」に当たるとされた事例――最一小判平成24・2・20●古田孝夫……89
〔刑事〕
◇パチスロ店内で,パチスロ機から不正な方法によりメダルを窃取した者の共同正犯である者が,上記犯行を隠ぺいする目的をもって,その隣のパチスロ機において,自ら通常の方法により遊戯していた場合,この通常の遊戯方法により取得したメダルについて窃盗罪が成立するか/窃取した財物と窃取したとはいえない財物とが混在している場合における窃盗罪の成立範囲について判示した事例――最一小決平成21・6・29●三浦 透……97
◇睡眠薬等を摂取させて数時間にわたり意識障害及び筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた行為につき傷害罪の成立が認められた事例――最三小決平成24・1・30●辻川靖夫……100
[商事判例研究] ◇被保険者ではない保険契約者による故意の事故招致と保険者免責――東京高判平成21・10・28●小野寺千世……103
◇漂泊中の漁船に対するフェリーの衝突と損害賠償責任――宮崎地判平成22・3・12●梅村 悠……107
◇破産法の「支払不能」の解釈――破産法162条1項2号の適用が主張された事例――東京地判平成22・7・8●栗原伸輔……111
[労働判例研究] ◇育児休業等の取得者に対する役割グレード引下げ等の効力――コナミデジタルエンタテインメント事件――東京高判平成23・12・27●川田琢之……115
◇派遣契約解消に伴う派遣先の不法行為責任――パナソニックエコシステムズ(派遣労働)事件――名古屋地判平成23・4・28●河野奈月……119
[租税判例研究] 弁護士会が受領する負担金等の対価性――大阪高判平成24・3・16●三木義一……123
[内容一覧] ジュリスト・論究ジュリスト2012年内容一覧……127