学習が進む,理解が深まる。法学がもっと面白くなる。
法学教室 2025年3月号(No.534)
2025年02月28日 発売
定価 1,650円(本体 1,500円)
電子書籍版はこちら(2012年4月号~)
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2024年度の法学教室も,基本七法を中心に,実定法の特集を多く組んでまいりました。年度最後となる今号は,すこし視点を変えて,法哲学の世界をご案内します。
「今回の特集の共通テーマは閉塞感である。狙いは2つある。第一の狙いは,閉塞感の要因を正確に言い当てることである。……第二の狙いは,その閉塞感から抜け出すためにどうすべきかを,法哲学の知的資源を活用しながら検討することである。」(特集扉より)
考えて,考えて,考え抜くことで開ける未来があるかもしれない――そう信じておくる,法を学ぶみなさまへの挑戦状です。いままさに,そしておそらくまだ少しのあいだ私たちの前に横たわるであろう6つの閉塞感に対し,みなさまはどう向き合いますか?
今号をもちまして,行政法・民法・会社法・刑法・刑事訴訟法分野の講座連載が最終回を迎えました。ここまで様々な苦難を乗り越えて連載を継続してくださったすべての先生方に,改めて深く御礼申し上げます。
国会概観,判例クローズアップ(最判令和6・7・11),時の問題(公益通報者保護制度)も掲載し,充実の3月号になりました。この春門出を迎えるみなさまへの祝意も添えてお届けします。
※目次のの記事にはウェブサポートがあります。
※読者モニターを募集しています。お申込みについては,こちらのフォームよりご応募ください。
◆特集 閉塞感に挑む法哲学
Ⅰ 労働と人権――ある閉塞感へ応答する可能性の一素描…木山幸輔……6
Ⅱ 少子高齢化をめぐる正義…吉良貴之……11
Ⅲ 苦情の正義…服部久美恵……16
Ⅳ ジェンダー規範と社会変革――大学入試女子枠制度から考える…野崎亜紀子……21
Ⅴ 法学部教育の「閉塞感」を打ち破る――法哲学の可能性…土井崇弘……25
Ⅵ SNSと分断――不完全な公共圏における誤りとでたらめ(bullshit)の位置づけ…永石尚也……29
【巻頭言】
大人げないけれど,前段・後段…沖野眞已……1
【法学のアントレ】〔第96回〕
スポーツのもたらす呪いと救い?…八田卓也……2
【国会概観】
第214回国会から第216回国会までの主要成立法律…梶山知唯……34
【判例クローズアップ】
不起訴合意の有効性(最判令和6・7・11)…八木敬二……40
【時の問題】
公益通報者保護制度の概要及びその見直しに関する状況…中野 真……46
◆講座
憲法の基本原理から見る統治〔第11回〕
選挙…高田 篤……52
事例で学ぶ行政法ゼミナール〔第24回・最終回〕
国家賠償請求権と国民国家――中国人「慰安婦」第2次訴訟…岡田正則……61
点と点をつなぐ不法行為判例〔第18回・最終回〕
民法709条の要件――条文と判例のあいだ…山本周平……67
会社法の時計〔第18回・最終回〕
会社とは何か…松井秀征……75
民事執行・保全法の考え方〔第5回〕
第三者異議の訴え,民事保全総論…青木 哲……81
近時の判例で学ぶ刑法〔第24回・最終回〕
賄賂罪における職務関連性――最決平成22・9・7刑集64巻6号865頁…遠藤聡太……90
刑事訴訟法のフレームワークを考える〔第21回・最終回〕
刑事手続における適正手続…宇藤 崇……98
【演習】
憲法…遠藤美奈……106
行政法…朝田とも子……108
民法…荻野奈緒……110
商法…杉田貴洋……112
民事訴訟法…川嶋隆憲……114
刑法…安達光治……116
刑事訴訟法…濵田 毅……118
レポート(環境法)…横内 恵……120
【判例セレクトMonthly】
〔憲法〕アイヌ先住権訴訟(札幌地判令和6・4・18)…西村裕一……123
〔行政法〕ストーカー規制法4条1項の警告の処分性(大阪高判令和6・6・26)…興津征雄……124
〔民法〕被相続人の傍系卑属であり,かつ被相続人の兄弟姉妹の養子縁組前の養子の子である者の代襲相続の可否(最判令和6・11・12)…白須真理子……125
〔商法〕株主名簿閲覧謄写仮処分命令申立事件における会社の不服申立てと株主総会の決議取消事由(東京地判令和6・3・27)…山本将成……126
〔民訴法〕文化功労者年金法に基づく年金の支給を受ける権利に対する強制執行の可否(最決令和6・10・23)…池田 愛……127
〔刑法〕「制御困難な高速度」の意義(大分地判令和6・11・28)…齊藤彰子……128
〔刑訴法〕証拠開示命令請求の棄却決定に対する即時抗告提起期間の起算日(最決令和6・11・15)…池亀尚之……129
【Report】
第23回インターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティション…森下哲朗……132