学習が進む,理解が深まる。法学がもっと面白くなる。
法学教室 2025年8月号(No.539)
2025年07月28日 発売
定価 1,650円(本体 1,500円)
電子書籍版はこちら(2012年4月号~)
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夏がやって来ました! 8月号特集1は「ニュースで応用科目ニュー門」!
法学部には,憲法・民法・刑法といった基本科目(必修科目)のほかに,多くの応用科目(選択科目)が置かれています。科目名だけでは内容のイメージがつきづらく,履修選択に迷うこともあるのではないでしょうか。そこで,みなさまの科目登録の一助になればと,消費者法・倒産法・経済法・知的財産法・国際法・国際私法の6科目について,最近話題になったニュースを素材に,各法分野の特色や学習内容をご紹介いただきました。誰のどのような権利を守り,あるいは調整し,どのような世界を目指す学問であるのか,具体的な手触りを感じていただけるはずです。
第2特集では選挙について考えます。今夏には,東京都議会議員選挙があり,本号発売の直前には参議院議員選挙もありました。SNSの普及により,選挙をめぐる問題はいっそう先鋭化・複雑化しています。真偽不明の情報が溢れ,結果として,国民の間に大きな断絶を生んでいるようにも見えます。しかし,どんなに難しくとも,諦めるわけにはいかないのが民主政であり,唯一絶対の解のないこの問題には,考え続けることでしか対応ができません。民主主義を繋いでゆくための4つの視座を提供していただきました。
何を学ぶかも,票を投じる先も,引いてはこの国のかたちも,全部自分たちで選び取れるもの。未来の選択を考える夏にしてもらえたらと願っています。
※目次のの記事にはウェブサポートがあります。
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◆特集1 ニュースで応用科目ニュー門――講義選択ナビゲーション
Ⅰ 消費者法とはどのような法分野か?――チケットのキャンセル・転売禁止に関する最近のニュースを枕として…武田直大……6
Ⅱ 倒産法入門――船井電機の倒産事件を素材に…杉本純子……11
Ⅲ ニュースで学ぶ経済法――五輪談合…長谷河亜希子……17
Ⅳ 知的財産法の輪郭…長谷川 遼……22
Ⅴ 国際法――作る,使う,守る…西村 弓……27
Ⅵ どの国の法律が適用されるのか?――日本製鉄によるUSS社買収を素材に…羽賀由利子……32
◆特集2 いまこそ「選挙」を考える
1 選挙運動規制の現状と課題…石原佳代子……38
2 政治参加の課題…柴田尭史……42
3 海外の選挙・市民会議・請願…植松健一……47
4 デモクラシーとはなにか…安藤 馨……51
【巻頭言】
刑法で何を学ぶか・何を書くか…橋爪 隆……1
【法学のアントレ】〔第101回〕
AI翻訳と未来の比較法…天田 悠……2
◆講座
憲法の基本原理から見る統治〔第16回〕
国会・議院の権能(2)…高田 篤……57
最新判例に学ぶ行政法解釈〔第5回〕
生活保護基準の改定と裁量統制――東京地判令和4・6・24判時2543・2544合併号5頁…戸部真澄……65
法と経済学から見た民法判例〔第5回〕
契約締結上の過失――最判昭和59・9・18判時1137号51頁(百選Ⅱ・3事件),最判平成23・4・22民集65巻3号1405頁(百選Ⅱ・4事件)…西内康人……73
ちょっとだけ寄り道,会社法〔第5回〕
決議の欠缺と代表取締役の行為の効力…宮本航平……80
民事執行・保全法の考え方〔第8回〕
不動産競売における配当等…青木 哲……86
刑法総論の秘密、刑法各論の秘訣。〔第5回〕
犯罪構造の把握における2つの型…和田俊憲……95
【演習】
憲法…大林啓吾……102
行政法…齋藤健一郎……104
民法…藤澤治奈……106
商法…森 まどか……108
民事訴訟法…村上正子……110
刑法…松尾誠紀……112
刑事訴訟法…宮木康博……114
労働法…天野晋介……116
【判例セレクトMonthly】
〔憲法〕孔子廟撤去訴訟(最判令和7・3・17)…西村裕一……119
〔行政法〕国家賠償法2条1項の「瑕疵」と営造物の「本来の用法」(東京高判令和6・1・24)…田中良弘……120
〔民訴法〕別件刑事訴訟で秘匿決定がされた被害者特定事項の記載がある民事訴訟記録の閲覧制限(東京高決令和6・5・17)…工藤敏隆……121
〔刑法〕他人名義のクレジットカード・キャッシュカードによる現金引出し窃盗と名義人の承諾(長崎地判令和6・9・4)…小池信太郎……122
〔刑訴法〕証明予定事実における法的理解と裁判所による求釈明(大阪高判令和6・2・8)…緑 大輔……123
Book Information
田村善之=奥邨弘司=駒田泰土=上野達弘編『著作権判例百選〔第7版〕』……125
鈴木悠介(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 弁護士)ジュリスト連載・広報と法務(2025年1月号〔No.1605〕~)……126