学習が進む,理解が深まる。法学がもっと面白くなる。
法学教室 2024年6月号(No.525)
2024年05月28日 発売
定価 1,650円(本体 1,500円)
電子書籍版はこちら(2012年4月号~)
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早いもので,2024年も半分が過ぎました。梅雨空の中,6月号をお届けします。
先月号から始まった基本七法特集は2番手の刑法にバトンがまわりました。特集1は「基本概念から学ぶ刑法」です。表題ご覧いただくと,よく見聞きする単語が並んでいると思います。特集タイトルのとおり,すべて刑法の重要な基本概念です。でも,その内容について,正確に理解できていますか? 基本的な事項ほど正確に,厳密に理解し,アウトプットできる能力が必要であるのは,すべての学問に共通ではないでしょうか。ぜひ,本特集で,日々の学習の足場をいっそう強固なものにしてください。
特集2は「消えた法律」。法律は,様々な歴史・経緯を経て「消える」ことがあります。いまある法も永続的なものではないかもしれず,いつかの未来では「こんな法律もあったのか」と驚きをもって受け止められる可能性もあります。いまが必ず正しいわけではない――そのこともあわせて考えてみていただけると幸いです。
今月号には時の問題「大麻の濫用防止と法規制」も掲載。大麻の問題は,想像以上に身近に潜んでいます。正しい知識こそが,自分と社会を守ることになるはずです。
※目次のの記事にはウェブサポートがあります。
※読者モニターを募集しています。お申込みについては,こちらのフォームよりご応募ください。
◆特集1 基本概念から学ぶ刑法
Ⅰ 法益保護主義…嘉門 優……6
Ⅱ 構成要件と犯罪論体系…松澤 伸……11
Ⅲ 行為無価値と結果無価値…佐藤拓磨……16
Ⅳ 責任主義…安田拓人……22
Ⅴ 因果的共犯論…豊田兼彦……27
Ⅵ 本権説・占有説…小林憲太郎……33
◆特集2 消えた法律
1 法律の消え方…梶山知唯……40
2 個人化する優生思想――優生保護法下/後の日本社会…水林 翔……45
3 陪審法――日本の陪審制度の成立の背景と停止に至った要因…藤田政博……49
4 種子法の廃止と独自条例の登場――規制改革と地域に根ざした法政策の行方…斎藤 誠……54
【巻頭言】
法科大学院20周年と刑法の教育・研究…橋爪 隆……1
【法学のアントレ】〔第87回〕
在外研究と「図らずも」…東條明徳……2
【時の問題】
大麻の濫用防止と法規制…太田達也……60
◆講座
憲法の基本原理から見る統治〔第3回〕
「憲法」と「立憲主義」(2)…高田 篤……66
事例で学ぶ行政法ゼミナール〔第15回〕
抗告訴訟の対象(処分性)――横浜市保育所廃止条例事件…岡田正則……73
点と点をつなぐ不法行為判例〔第9回〕
判例から見た監督義務者責任…長野史寛……79
会社法の時計〔第10回〕
取締役の第三者に対する責任…松井秀征……87
近時の判例で学ぶ刑法〔第15回〕
同時傷害の特例と一部共犯関係――最決令和2・9・30刑集74巻6号669頁…玄 守道……93
刑事訴訟法のフレームワークを考える〔第14回〕
証拠裁判主義…宇藤 崇……100
【演習】
憲法…遠藤美奈……106
行政法…朝田とも子……108
民法…荻野奈緒……110
商法…杉田貴洋……112
民事訴訟法…川嶋隆憲……114
刑法…安達光治……116
刑事訴訟法…濵田 毅……118
【判例セレクトMonthly】
〔憲法〕地方議会における出席停止処分の前提となる陳謝の懲罰の審査範囲(奈良地判令和6・1・16)…西村枝美……121
〔行政法〕租税特別措置法66条の6第1項に基づく委任命令の適用が適法とされた事例(最判令和5・11・6)…大橋真由美……122
〔民法〕公職選挙法251条の規定により遡って市議会議員の職を失った場合における議員報酬等の返還(最判令和5・12・12)…古谷貴之……123
〔民訴法〕1筆の土地の一部についての所有権移転登記請求権を保全する土地全部についての処分禁止の仮処分と保全の必要性(最決令和5・10・6)…工藤敏隆……124
〔刑法〕義務履行の要求と強要罪の成否(最判令和5・9・11)…松原芳博……125
〔刑訴法〕控訴審における訴因の変更と審判の範囲(仙台高判令和6・1・30)…岩下雅充……126