学習が進む,理解が深まる。法学がもっと面白くなる。
法学教室 2024年3月号(No.522)
2024年02月28日 発売
定価 1,650円(本体 1,500円)
電子書籍版はこちら(2012年4月号~)
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あっという間に季節がめぐり、出会いと別れの3月。人生の大きな節目を迎える方も多いのではないでしょうか。みなさまの春が、希望に満ちた晴れやかなものでありますように。
今月号の特集は「司法は人を救えるか」。社会装置の一つである司法制度の役割や限界について、「人を救う」というフィルターを通じて考察します。日々学んでいる法律学は、どのように人を救いうるのか。1年の最後に、教科書からすこし目を上げて、広く大きく複雑な、「人が生きる社会」を感じながら考えてみてほしいと思っています。
今号には国会概観「第212回国会主要成立法律」と時の問題「法律案の『一括化』と憲法」も掲載。先の国会でどのような動きがあったかをおさらいしつつ、現在会期中の第213回国会も横目にみつつ、「法案の出され方」についても意識を向けていただければ幸いです。
この3月号をもって、講座連載「憲法事例分析の技法」と「流れをつかむ民事訴訟法」および2023年度演習が最終回となりました。ここまでご執筆くださった先生方に改めて心より感謝申し上げます。4月号からは憲法の新連載と、新執筆陣による2024年度演習がスタートします。どうぞご期待ください。
※目次のの記事にはウェブサポートがあります。
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◆特集 司法は人を救えるか
Ⅰ 司法はどのように人を救えるのか…飯田 高……6
Ⅱ 司法が個人の痛みを認めないとき――憲法と取消訴訟の原告適格論…小川 亮……12
Ⅲ 救済はどのように実現するのか――国籍法違憲判決を中心に…秋葉丈志……18
Ⅳ 国家賠償訴訟による救済の可能性と限界――国家賠償法1条1項の違法性の観点から…中尾祐人……24
Ⅴ 司法が人を救うとき――府中青年の家事件から振り返る…中川重徳……31
【巻頭言】
ルール違反を減らすには…川出敏裕……1
【法学のアントレ】〔第84回〕
「文化芸術」基本法…中村美帆……2
【国会概観】
第212回国会主要成立法律…梶山知唯……37
【時の問題】
法律案の「一括化」と憲法…大西祥世……43
◆講座
憲法事例分析の技法〔第24回・最終回〕
旧優生保護法の違憲性と司法的救済…御幸聖樹……50
事例で学ぶ行政法ゼミナール〔第12回〕
情報公開と公文書管理――沖縄返還「密約」情報公開請求事件…岡田正則……60
点と点をつなぐ不法行為判例〔第6回〕
民法724条1号の短期消滅時効の起算点論――手続法および不法行為制度目的論との関連を視野に入れて…長野史寛……66
流れをつかむ民事訴訟法〔第24回・最終回〕
IT化後の民事訴訟手続…笠井正俊……74
近時の判例で学ぶ刑法〔第12回〕
包括一罪の成否――最決平成26・3・17刑集68巻3号368頁…田中優輝……84
刑事訴訟法のフレームワークを考える〔第11回〕
起訴裁量主義…宇藤 崇……90
【演習】
憲法…尾形 健……96
行政法…田中良弘……98
民法…林 誠司……100
商法…柳 明昌……102
民事訴訟法…秦 公正……104
刑法…古川伸彦……106
刑事訴訟法…緑 大輔……108
レポート(国際法)…藤澤 巌……110
【判例セレクトMonthly】
〔憲法〕「宮本から君へ」事件(最判令和5・11・17)…西村裕一……113
〔行政法〕映画「宮本から君へ」助成金不交付処分取消訴訟(最判令和5・11・17)…興津征雄……114
〔民法〕特別寄与料の負担割合と遺留分侵害額請求(最決令和5・10・26)…白須真理子……115
〔商法〕デッドロック状態の株式会社における解散の訴え(東京高判令和5・3・9)…石川真衣……116
〔民訴法〕本人訴訟を提起した拘置所に収容されている死刑確定者の不出頭と訴えの取下げ擬制(最決令和5・9・27)…池田 愛……117
〔刑法〕自動車事故における過失の判断(名古屋高判令和5・9・5)…齊藤彰子……118
〔刑訴法〕退去強制と検察官調書(大阪高判令和3・12・3)…池亀尚之……119
【Report】
第22回インターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティション…森下哲朗……120