学習が進む，理解が深まる。法学がもっと面白くなる。

法学教室　2023年９月号(No.516)

2023年08月28日　発売
定価  1,650円(本体 1,500円)

きびしい残暑が続きますが、朝晩の空気の中に、あるいは、空の色合いの中に、秋の気配を感じるようになりました。2023年度も折り返しを迎えます。

今月号の特集は、「会社法理論の進展と実務の動向」。実務との接点が多く、裁判例も数多い会社法は、理論の進展も早い分野と言えるでしょう。2～3年に一度の改訂を重ねる教科書であっても、その動向をとらえ、反映させ続けることは困難です。一方で、その「動きの早さ」こそが、会社法の魅力のひとつでもあり、学習の醍醐味でもあるはずです。ぜひ、本特集で教科書の隙間を補い、「会社法のいま」を体感してください。

「判例クローズアップ」では、令和3年衆議院議員選挙をめぐる、いわゆる「一票の較差」訴訟を解説していただきました。膨大な裁判例群となりつつある定数訴訟を整理し、令和5年大法廷判決の位置づけを探ります。

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※目次のの記事にはウェブサポートがあります。

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◆特集 会社法理論の進展と実務の動向

Ⅰ　株式の相続――株式の準共有を中心に…仲　卓真……10

Ⅱ　買収防衛策の展開とその適法性…松中　学……16

Ⅲ　取締役選任決議の取消し・無効と瑕疵の連鎖…福島洋尚……21

Ⅳ　取締役会の監督機能…行岡睦彦……26

Ⅴ　取締役の第三者に対する責任…髙橋陽一……32

Ⅵ　組織再編行為における対価の不公正と法的救済方法…笠原武朗……37

【巻頭言】

現代における大師号授与――先月号の特集に寄せて…斎藤　誠……1

【法学のアントレ】〔第78回〕

判例廃止論――法哲学から判例を疑う…吉良貴之……2

【学校をホウガクする】〔第6回〕

学校と法――子ども法の視点から…横田光平……4

【判例クローズアップ】

令和3年衆議院議員総選挙と一票の較差…河北洋介……42

◆講座

憲法事例分析の技法〔第18回〕

参議院議員選挙における合区の解消…御幸聖樹……49

事例で学ぶ行政法ゼミナール〔第6回〕

行政手続――一級建築士免許取消事件…岡田正則……58

会社法の時計〔第6回〕

会社代表権の制限等と取引相手方の保護…松井秀征……64

流れをつかむ民事訴訟法〔第18回〕

請求の併合・訴訟係属中の訴訟物の追加…笠井正俊……70

近時の判例で学ぶ刑法〔第6回〕

殺人罪の間接正犯・共同正犯――最決令和2・8・24刑集74巻5号517頁…小島陽介……78

刑事訴訟法のフレームワークを考える〔第6回〕

捜査における比例原則…宇藤　崇……84

【演習】

憲法…尾形　健……90

行政法…田中良弘……92

民法…林　誠司……94

商法…柳　明昌……96

民事訴訟法…秦　公正……98

刑法…古川伸彦……100

刑事訴訟法…緑　大輔……102

レポート（社会保障法）…橋爪幸代……104

【判例セレクトMonthly】

〔憲法〕同性婚を認めない現行法を違憲とした名古屋地裁判決（名古屋地判令和5・5・30）…毛利　透……107

〔行政法〕納骨堂の所在地周辺に居住する者らの原告適格（最判令和5・5・9）…米田雅宏……108

〔民法〕婚姻費用分担審判における父子関係の存否（最決令和5・5・17）…羽生香織……109

〔民法〕民法995条の「相続人」の意義（最判令和5・5・19）…栗田昌裕……110

〔商法〕総数引受契約の無効による募集株式発行の不存在（大阪高判令和3・11・11）…田澤元章……111

〔商法〕譲渡制限株式の評価（最決令和5・5・24）…伊藤雄司……112

〔民訴法〕差押命令送達前に第三債務者が電子記録債権を発生させた場合において，転付命令送達後に当該電子記録債権の支払いがあったときの，転付命令の弁済効（最決令和5・3・29）…堀　清史……113

〔刑法〕死体遺棄罪の成立が否定された事例（最判令和5・3・24）…十河太朗……114

〔刑訴法〕訴因変更前の訴因の認定（東京高判令和3・7・13）…黒澤　睦……115

Book Information

飯田　高 = 齋藤哲志 = 瀧川裕英 = 松原健太郎 編『リーガル・ラディカリズム――法の限界を根源から問う』……117

飯田　高 = 近藤絢子 = 砂原庸介 = 丸山里美 編『世の中を知る，考える，変えていく――高校生からの社会科学講義』……118

松林哲也 著『何が投票率を高めるのか』……119