六法編集部から……
前号の状況そのままに、最後まで目が離せない通常国会でした。緊迫(?)の作業を経て、10月23日にポケット六法が発売されました。今月6日には判例六法が発売となりますが、ともに民法・刑訴法の改正法案は別冊化するなど、改正法へのフォローをはじめ、使いやすさを追求したスタイルは変わりません。その後も判例六法Professional刊行がひかえます。国会と連動する〝六法のダイナミズム〟を実感する秋でした。 (F)
雑誌編集部から……
国会審議が注目されている「民法の一部を改正する法律案」ですが、法案の内容と契約実務や法理論に及ぼす影響について、有斐閣法律講演会「新しい『民法(債権法)』案を知る・学ぶ」を12月5日・6日に開催します。講演は、法制審の議論に携われた大村敦志先生、道垣内弘人先生を含め7名の先生によるリレー講演形式です。本誌に詳細を掲載しておりますのでご覧下さい。皆様のお役に立つこと間違いなしです。 (K)
法律編集部から……
学問の秋、道垣内弘人『非典型担保法の課題』、丸山絵美子『中途解除と契約の内容規制』、星野英一『民法論集 第十巻』、星野英一先生追悼『日本民法学の新たな時代』と、民法の研究書を相次いで出版しました。折しも刊行の大村敦志=小粥太郎『民法学を語る』では、現代日本における民法学の意義や役割について、当代の研究者が書簡を往復して縦横に考察します。専門の異なる方や一般の方にも読んでいただきたい一冊です。 (Z)
経済・人文編集部から……
本格的な情報化時代を迎え、データや数値に基づいた実証分析が果たす役割が大きくなり、統計学や計量経済学がさらに重視されてきているようです。統計学では体系的テキスト『統計学 改訂版』、計量経済学では好評のストゥディアより『計量経済学の第一歩』が出されます。そして今や基礎的な分析枠組みとなったゲーム理論に関して、問題を解きながら理解を深められる『ゲーム理論ワークブック』が刊行です。ご期待ください。 (S)
編集後記
中川淳司先生の「失敗は成功の元?――ベルリン滞在記」が本号で終了します。昨年ベルリン自由大学に客員教授として赴任した中川先生には、日常生活でも様々な失敗や出会いがあり、生き方を深く思い直してみるきっかけになったといいます。そこまで先生に影響を与えたベルリン生活の諸相を、クレジットカード、SNS、自転車、移民、美術など多岐にわたるトピックから明らかにしていったのが本連載です。それは現代ドイツ事情のよきレポートともなっています。
また、本号には座談会「シカゴ・ローエコ見聞録――シカゴ夏期セミナーについて」を掲載します。シカゴのロー&エコノミクスのサマーセミナーに参加した法学と経営学の3先生が、セミナーの特色や内容、今後の参加者へのアドバイスなどについて語り合いました。本号と次号にわたって掲載します。(M)