信託法の問題状況 -- 現代民法研究３

序章　総　論
　第1節　“Trust”という法制度の訳語としての「信託」──中間報告
　第2節　「フィデューシャリー」がやって来た
　第3節　信託法理とその拡大
　第4節　新しい信託法理論の展望と課題
　第5節　信託法についての立法技術的諸問題
第１章　信託の設定
　第1節　信託の設定または信託の存在認定
　第2節　信託の定義・信託の設定
　第3節　「預かること」と信託──「信託業法の適用されない信託」の検討
　第4節　担保としての信託
　第5節　譲渡担保と信託
　第6節　譲渡禁止特約付債権の自己信託
第２章　信託財産と取引のメカニズム
　第1節　信託財産──現代信託法の展望
　第2節　帰属メカニズムについて──行為
　第3節　過払金が生じている貸金債権の信託
　第4節　受託者の自己取引・信託財産間取引の法律関係
第３章　受託者とその義務
　第1節　保管受託者を用いた信託とその法的諸問題
　第2節　職務分掌型共同受託と新信託法──古谷報告を踏まえて
　第3節　信託による財産承継にあたっての受託者の権限と義務
　第4節　相殺について残された問題
第４章　最近信託法判例批評
第５章　さみしがりやの信託法
第６章　比較法
　第1節　紹介：K. W. Ryan『大陸法における信託の受容』──大陸法系における信託法研究序説
　第2節　経済的効率性の観点よりする信託と大陸法上の類似制度との比較──Ugo Mattei, Comparative Law and Economics, ch.６の紹介と検討
　第3節　イングランド法における信託受託者の義務──信認関係を生ぜしめる諸制度の中における「信託」の位置づけ
　第4節　オーストラリアにおける事業信託
　第5節　カナダ・オンタリオ州における受託者の善管注意執行義務の具体化に関する１つの事例──債権者公告についての相続財産管理人の義務
　第6節　中国信託法を考える際の視点
　第7節　信託と財産──中国信託法の積極的位置づけを兼ねて

※『証券アナリストジャーナル』（2022年11月号）の「新刊紹介」に掲載されました。