ジェンダー・フリーを支援できるような,あるいは既存の理論,制度,常識の中のジェンダー・バイアスを的確に掘り起こすような,心理学の研究とはいかなるものであろうか。それを具体的な研究で示したのが本書のねらいである。本書の特徴は2つある, 1つは,ジェンダーの視点を取り入れた心理学研究とはいかなるものかを具体的な研究例で示した。4分野(家族関係,2教育・学校生活,3社会生活,4臨床・実践)の32編の優れた研究を選んだ。そして,それぞれの原著者にそれぞれの研究のエッセンスを要約的に紹介・解説していただいた。 2つは,心理学が取り組むべきさらなる課題を明らかにしたいと考え,隣接諸領域の研究者や識者10名から提言をいただいた。ジェンダー研究に関心をもつ学生,院生,研究者などの必読書である。 |