HOME > 詳細 > 萬葉集全注 巻第十二 -- 古今相聞往来歌(下)
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新感覚の萬葉集研究
小野 寛 (高岡市万葉歴史館館長・駒澤大学名誉教授)/著
2006年05月発売
A5判上製箱入 ,
598ページ
定価 10,230円(本体 9,300円)
ISBN 4-641-07142-X
在庫なし
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巻第十二は巻第十一と兄弟関係にあるが,本巻は柿本人麻呂歌集歌より出典不明歌が断然多く,それらは奈良時代初期から天平期にかけての,名もなき一般官人層の男女の相聞歌の種々を集めたものである。彼らは逢いがたきを嘆き,恋い乱れ,死なば安けむとまで歌うのであった。
■千余年の歴史をもつ万葉研究の本流である訓詁注釈の伝統の上に,現代万葉学の特色――歴史,風土,民俗,宗教など隣接諸学との多様な交流――を活かした新しい内容の滋味溢れる注釈。
本文は「原文よみ下し」と「口語訳」とを大きな活字で上下2段に対照して載せ,難読の漢字にはルビをふり,歌のもつ声調をいきいきと味わえるように配慮した。
■解説は〔注〕と〔考〕の2部に分け,伝統的万葉研究の成果の上に精緻な語釈をほどこす〔注〕に対し,〔考〕の部では作歌の動機やその社会的背景を描くとともに,歴史に生きる作者の姿を再現するようにつとめた。
研究者,学生にとって絶好の手引きであるばかりでなく,一般愛好者の心の糧ともなるであろう。