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1998年09月発売
A5判 ,
706ページ
定価 10,780円(本体 9,800円)
ISBN 4-641-07141-1
在庫なし
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古今相聞往来として編纂された巻第11所収歌は,短歌・旋頭歌あわせて490首。うち161首が人麻呂歌集からの採録であるが,とりわけ人麻呂歌集古体歌(=略体歌)の問題をめぐっては江戸期以来さまざまな見解が提示され,萬葉学史上の一大テーマとなっている。
▼一千年の歴史をもつ萬葉研究の本流である訓詁注釈の伝統の上に,現代萬葉学の特色――歴史,風土,民俗,宗教など隣接諸学との多様な交流――を活かした,新しい内容の,滋味あふれる注釈。
▼本文は,「原文よみ下し」と「口語訳」とを大きな活字で上下二段に対照,歌のもつ声調をいきいきと味わえるように配慮した。
▼解説は,〔注〕と〔考〕の二部に分け,精緻な語釈をほどこす〔注〕に対し,〔考〕の部では作歌の動機やその社会的背景を描くとともに,歴史に生きる作者の姿を再現するようにつとめた。本全注は,研究者,学生にとって絶好の手引であるばかりでなく,広く一般愛好者の心の糧ともなるであろう。