法律実務のパートナー
ジュリスト 2020年8月号(No.1548)
2020年07月22日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
株主総会の電子化をめぐる動きが活発化しています。新型コロナウイルスが流行し,パンデミック対策という側面が注目されていますが,新型コロナウイルスの影響が及ぶ前から,電子化についての議論は蓄積されてきました。今回の特集では,理論・実務双方の視点から,株主総会の電子化の可能性とその課題を明らかにするとともに,これからの株主総会のあり方を展望します。
さらに連載「パンデミックと法実務」でも,パンデミックへの株主総会の対応とその課題を取り上げました。さらに,テレワークを実施する場合の課題についても取り扱っています。併せてご一読下さい。
【特集】これからの株主総会――デジタル化への課題
◇特集にあたって●藤田友敬……14
◇ハイブリッド型バーチャル株主総会●澤口 実……16
◇バーチャルオンリー型株主総会――その理論的基礎と可能性について●松井秀征……22
◇株主総会関係資料の電子提供と株主総会プロセスにおける対話●松尾健一……29
◇情報通信技術の観点から見る電子株主総会の実現可能性●岡村優希……35
[会社法判例速報]
調査委員会の費用と取締役の賠償責任――東京地判令和2・2・13●弥永真生……2
[労働判例速報]
65歳定年制における定年延長拒否の違法性の判断――同志社事件――京都地判令和2・3・17●水町勇一郎……4
[独禁法事例速報]
事業者団体の加入拒否が事業者数の制限に当たるかを判断した事例――東京地判令和2・3・26●花田さおり……6
[知財判例速報]
特許法29条の2の後願排除効を有する開示の程度――知財高判令和2・2・25●黒田 薫……8
[租税判例速報]
税務通達を「文理解釈」した原審の判断手法が排斥された事例――最三小判令和2・3・24●藤谷武史……10
[海外法律情報]
タイ―「延期」されたタイの個人情報保護法●今泉慎也……61
[連載/裁判手続とIT化の重要論点]〔第5回〕
判決手続におけるウェブ会議の利用――口頭弁論および争点整理を中心に●内海博俊……55
[連載/弁護士のための租税法務]〔第8回〕
組織再編税制●大石篤史……62
[連載/パンデミックと法実務]〔第2回〕
◇新型コロナウイルス時代の株主総会●飯田秀総……42
◇「新しい日常」としてのテレワーク――仕事と生活の混在と分離●石﨑由希子……48
[連載/BOOK TERRACE]
紀伊國屋書店札幌本店……69
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第34回〕
ドイツのサンプリング問題と自由使用の行方●本山雅弘……70
[時論]
金銭給付に見合う「現に医療を要する状態」――被爆者援護法に関する2つの最高裁判決について●太田匡彦……72
[最高裁時の判例]
民事
死刑確定者が親族以外の者との間で発受する信書につき刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律139条1項2号所定の用務の処理のために必要とはいえない記述部分がある場合に,同部分の発受を許さないこととしてこれを削除し又は抹消することの可否――最二小判令和元・8・9●髙瀬保守……79
[商事判例研究]
◇請求権代位後における不法行為債権者への弁済――東京高判平成30・11・7●井上健一……83
◇転落事故の重過失免責と保険金給付の履行期が争われた事例――東京地判平成29・10・23●梅村 悠……86
◇記名被保険者の不実告知と任意自動車保険契約の詐欺取消し――大阪地判令和元・5・22●津野田一馬……90
[労働判例研究]
◇歩合給から割増賃金相当額を控除する定めと労働基準法37条――国際自動車(第二次上告審)事件――最一小判令和2・3・30●土岐将仁……94
◇契約更新限度に基づく無期転換権発生直前の雇止めの違法性――博報堂事件――福岡地判令和2・3・17●水町勇一郎……98
[租税判例研究]
組織再編成に係る一般的否認規定と欠損金の引継ぎ――東京地判令和元・6・27●西本靖宏……102
[渉外判例研究]
「相当な報酬」と出訴制限に関する外国法の内容の調査・確定――横浜地判平成25・8・7●早川吉尚●伏原宏太……106