法律実務のパートナー
ジュリスト 2019年2月号(No.1528)
2019年01月25日 発売
定価 1,569円(本体 1,426円)
2018年12月30日に発効したTPP11協定。アメリカの突然の変化により,前身のTPP協定から時間を要しましたが,アジア太平洋地域に自由貿易圏が誕生し,日本経済にも様々な影響が及びます。TPP協定に対応するために整備された国内法も,ようやく日の目を見ることになります。今回の特集では,TPP11協定に対応するために整備された法律のうち,知的財産法分野と独占禁止法分野の改正に焦点を絞り,改正の経緯や内容,さらに実務上の対応について検討を加えます。
【特集】TPPと法改正
◇特集にあたって●小泉直樹……14
◇法定賠償――TPPと著作権法・商標法改正●前田陽一……16
◇保護期間延長●中川達也……22
◇配信音源の二次使用に対する報酬請求権の付与●畑 陽一郎……28
◇非親告罪化●桑野雄一郎……34
◇アクセスコントロール技術の回避関連行為の規制●奥邨弘司……41
◇独占禁止法における確約手続の導入●長澤哲也……48
[裁判官に聴く訴訟実務のバイタルポイント]〔第14回〕
労働訴訟(2)●門口正人●江原健志●西村康一郎……66
[会社法判例速報]
新株予約権付社債の発行による株価下落と損害賠償請求――東京地判平成30・9・20●弥永真生……2
[労働判例速報]
ワーカーズ・コレクティブの組合員の労基法上の労働者性――企業組合ワーカーズ・コレクティブ轍・東村山事件――東京地立川支判平成30・9・25●橋本陽子……4
[独禁法事例速報]
インターネット販売を理由とする供給拒絶と再販売価格拘束――大阪地判平成30・3・23●秋葉健志……6
[知財判例速報]
マリカー事件地裁判決――東京地判平成30・9・27●小林利明……8
[租税判例速報]
源泉徴収義務の発生原因行為についての錯誤無効の主張の可否――最三小判平成30・9・25●西本靖宏……10
[連載/新時代の弁護士倫理]〔第2回〕
◇弁護士の誠実義務と職務の独立性●田村陽子……54
◇不当な事件――依頼の前髪と断る勇気●鳥山半六……62
◇依頼者の圧力にどう向き合うか●石畔重次……63
[連載/働き手・働き方の多様化と労働法]〔第11回〕
同一労働同一賃金原則と賃金規制●神吉知郁子……86
[連載/知的財産法とビジネスの種]〔第16回〕
ソフトウェアは著作権による保護から卒業するか●伊藤雅浩……84
[時論]
日本における「成年」制度の成り立ちと社会的意義●飯田 高……78
[最高裁時の判例]民事
◇公害健康被害の補償等に関する法律4条2項の認定を受けた者が原因者に対する損害賠償請求訴訟の判決により確定された損害賠償義務の全ての履行を既に受けている場合における都道府県知事の同法に基づく障害補償費の支給義務――最二小判平成29・9・8●三宅知三郎……92
◇競馬の当たり馬券の払戻金が所得税法35条1項にいう雑所得に当たるとされた事例/競馬の外れ馬券の購入代金が雑所得である当たり馬券の払戻金を得るため直接に要した費用として所得税法37条1項にいう必要経費に当たるとされた事例――最二小判平成29・12・15●三宅知三郎……96
[経済法判例研究会]
オンラインゲームで提供される役務に係る不当表示に対する景品表示法適用事件――消費者庁平成29・7・19・平成30・3・28・措置命令・課徴金納付命令●岩本 諭……99
[商事判例研究]
◇任務懈怠をした取締役に対する責任追及とその制限――水戸地土浦支判平成29・7・19●木村真生子……103
◇匿名組合営業者の善管注意義務――最三小判平成28・9・6●髙橋美加……107
◇取締役会決議における特別利害関係――取締役解任を株主総会に付議する決議――東京地決平成29・9・26●山本哲生……111
[労働判例研究]
◇新聞記者に内部事情を告発した労働者に対する懲戒処分の有効性――帝産湖南交通事件――大阪高判平成30・7・2●河野奈月……115
◇偽装請負であったSEの顧客情報漏えいと不正競争防止法違反の有無――ベネッセ顧客情報漏えい刑事事件――東京高判平成29・3・21●濱口桂一郎……119
[租税判例研究]
更正の予知なき自主修正申告後の国外財産調書提出の場合の過少申告加算税加重措置――国税不服審判所平成29・9・1裁決●浅妻章如……123