法律実務のパートナー
ジュリスト 2016年10月号(No.1498)
2016年09月24日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
不正会計、データ偽装、カルテル、脱税……犯罪を含む「不祥事」の発覚により、企業価値が毀損される事案が後を絶ちません。既に各企業がコンプライアンスに注目し、積極的に取り組む昨今において、不祥事の予防・発生時の適切な対応のために求められるものとは。理論・実務の両面から、法制度の課題も含め、一歩先の「コンプライアンス」をご解説いただいております。
消費者契約法・特定商取引法の改正に関する「時論」、行政機関個人情報保護法等の改正をご解説いただいた「新法の要点」にもご注目ください。
【特集】コンプライアンス再考――企業不祥事予防・対応上の新たな留意点
◇〔座談会〕企業不祥事の現状と展望●佐伯仁志●川出敏裕●木目田 裕●山口利昭……14
◇企業不祥事の原因分析――経営戦略の立案・実施のあり方を切り口として●吉村典久……30
◇不正防止と内部監査の新たな役割●澤口 実……36
◇コンプライアンス体制の整備・運営と法人処罰●川崎友巳……43
◇不祥事調査の実務●國廣 正●五味祐子……51
◇司法取引の施行に向けた留意点●平尾 覚……57
[会社法判例速報]
全部取得条項付種類株式の取得価格――最一小決平成28・7・1●弥永真生……2
[労働判例速報]
労契法20条違反の判断枠組みと救済方法――ハマキョウレックス事件――大阪高判平成28・7・26●小西康之……4
[独禁法事例速報]
株式会社肥後銀行及び株式会社鹿児島銀行による共同株式移転――公取委平成28・6・8発表●石井輝久……6
[知財判例速報]
意匠の類似――知財高判平成28・7・13●田中浩之……8
[租税判例速報]
不動産の譲渡人が非居住者に該当し譲受人が源泉徴収義務を負うとされた事案――東京地判平成28・5・19●南 繁樹……10
[時論]
改正消費者契約法・改正特定商取引法をめぐる視点●坂東俊矢●大髙友一……65
[新法の要点]
行政機関個人情報保護法等の改正●宇賀克也……78
[国会概観]
第190回国会の概観●川﨑政司……86
[連載/国際ビジネス紛争処理の法実務]〔第7回〕国際訴訟競合
◇INTRODUCTION●道垣内正人●古田啓昌……103
◇国際訴訟競合と特別の事情●小川治彦……104
◇不法行為地管轄と特別の事情●伊藤亮介●大江修子●佐藤力哉……107
[霞が関インフォ]
消費者委員会―徳島県による消費者庁等の移転の提案について●河上正二……84
[最高裁時の判例]
[民事]
◇地方税法11条の8にいう「滞納者の地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」の意義――最二小判平成27・11・6●中丸 隆……111
◇国家公務員共済組合法(平成24年法律第63号による改正前のもの)附則12条の12第4項及び厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成8年法律第82号)附則30条1項と憲法41条及び73条6号――最一小判平成27・12・14●徳地 淳……115
◇債務整理を依頼された認定司法書士が,当該債務整理の対象となる債権に係る裁判外の和解について,司法書士法3条1項7号に規定する額を超えるものとして代理することができないとされる場合――最一小判平成28・6・27●田中孝一……119
[刑事]
◇本位的訴因を否定し予備的訴因を認定した第1審判決に対し検察官が控訴の申立てをしなかった場合に,控訴審が職権調査により本位的訴因について有罪の自判をすることが違法であるとされた事例――最一小決平成25・3・5●矢野直邦……125
◇組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成23年法律第74号による改正前のもの)3条1項9号にいう「詐欺罪に当たる行為を実行するための組織」に当たるとされた事例――最三小決平成27・9・15●伊藤雅人……128
[経済法判例研究会]
生コン協同組合による取引妨害――岡山県北生コンクリート協同組合事件――公取委排除措置命令平成27・2・27●金井貴嗣……131
[商事判例研究]
◇上場の確実性と非上場会社の株式の公正なる発行価額――東京高判平成26・11・26●温 笑侗……135
◇違法行為等を行った取締役・監査役の任務懈怠責任――違法行為等の防止・調査と内部統制の構築・運用――東京地判平成27・4・23●エドアルド・メスキタ……139
◇否認権行使前提での民事再生申立てに伴う役員の対第三者責任――東京地判平成25・11・6●早川咲耶……143
[労働判例研究]
◇別居中の遺族による遺族基礎年金の生計維持要件の充足――各遺族基礎年金不支給決定取消請求事件――名古屋地判平成27・3・19●嵩 さやか……147
◇当事者死亡による訴訟終了宣言と,会社解散に基づく解雇の効力――石川タクシー富士宮ほか事件――東京高判平成26・6・12●小西國友……151
[租税判例研究]
組織再編税制における行為計算の否認――最一小判平成28・2・29●本庄 資……155