法律実務のパートナー
ジュリスト 2015年3月号(No.1477)
2015年02月25日 発売
定価 1,466円(本体 1,333円)
消費者保護制度の進展は、コンプライアンス上のリスク拡大を意味し、消費者法の遵守は、消費者のみならず事業者にとっての利益となった。今回は、いままでの消費者法特集とは視点を変え、企業法務における消費者法の考え方と具体的な場面ごとの留意点を総合的に論じている。
【特集】企業法務における消費者法
◇消費者問題と企業のコンプライアンス●郷原信郎……12
◇消費者契約・約款の作成時の視点および留意事項●森 大樹……19
◇表示に関わる問題から企業を守るために留意すべきこと●松田知丈……25
◇被害や欠陥が発生した場合の信頼回復に向けた対応●馬場新一……32
◇消費者訴訟に対して事業者はどう対応すべきか●大髙友一……39
◇「消費者教育推進法」と消費者教育への取組み●長谷川公彦●清水きよみ……45
◇企業と消費者の真の信頼関係をめざす●片山登志子……53
[会社法判例速報]
勧告的決議と無効確認の利益――東京地判平成26・11・20●弥永真生……2
[独禁法事例速報]
締結済みの契約の無効を前提とする,独禁法24条に基づく差止請求――東京高判平成26・7・16――東京地判平成26・2・27●越知覚子……4
[知財判例速報]
自炊代行サービスにおける複製の主体と法30条が認められる範囲――知財高判平成26・10・22●平野惠稔……6
[租税判例速報]
海洋掘削作業用リグ賃料が船舶貸付けの対価として源泉徴収税の対象となるとした事例――東京高判平成26・4・24●浅妻章如……8
[連載/新興国コンプライアンス最前線]〔第3回〕
ミャンマー/労働法および汚職禁止法に潜むリスク●堤 雄史……62
[連載/労働法なう。]〔第12回・完〕
ライバル会社でキャリアアップ?そうはさせるか!●森戸英幸……70
[霞が関インフォ]
消費者委員会―「機能性表示食品」について●河上正二……60
[最高裁時の判例]
民事
◇第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合における当該建物の明渡請求と併合されている他の請求の当否等についての控訴審の判断――最二小判平成24・4・6●廣瀬 孝……78
◇行政組織法上の行政機関以外の組織が行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」に該当する場合/日本年金機構の下部組織である事務センターが行政事件訴訟法12条3 項にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」に該当しないとした原審の判断に違法があるとされた事例――最一小決平成26・9・25●寺岡洋和……81
刑事
◇鑑定入院命令が発せられた後に鑑定入院の必要がなくなったことなどの事情と「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」72条1項の鑑定入院命令取消し請求の理由/裁判所が職権で鑑定入院命令を取り消すことの可否――最三小決平成21・8・7●増田啓祐……84
[経済法判例研究会]
物理的な取引妨害に対して独禁法24条の差止請求を認容した事例――神鉄タクシー事件控訴審――大阪高判平成26・10・31●伊永大輔……87
[商事判例研究]
◇株主による会計帳簿等の閲覧謄写請求が認められた事例――名古屋地決平成24・8・13●野田耕志……91
◇国債の購入者の国に対する直接の償還請求の可否――広島高松江支判平成24・11・14●森下哲朗……95
◇株主総会決議による任期10年の取締役解任の「正当な理由」――横浜地判平成24・7・20●得津 晶……99
[労働判例研究]
◇妊娠時の軽易業務への転換を契機とした降格の違法性――広島中央保健生協(C生協病院)事件――最一小判平成26・10・23●水町勇一郎……103
◇休職の成否と自然退職扱いの効力――北港観光バス(休職期間満了)事件――大阪高判平成26・4・23●石﨑由希子……107
[租税判例研究]
制限利率を超えた過払金の返還請求と更生会社となった消費者金融会社の法人税の更正・還付――東京地判平成25・10・30●渡辺裕泰……111
[渉外判例研究]
渉外事案における法定訴訟担当および著作権移転・侵害の準拠法――東京地判平成25・12・20●嶋 拓哉……115