法律実務のパートナー
ジュリスト 2011年10月15日号(No.1431)
2011年10月08日 発売
定価 1,572円(本体 1,429円)
■第1特集では、日本財政のゆくえを展望します。悪化の一途をたどる日本財政の立て直しには、正しい知識を持ち、ひろく叡智を結集することが必要です。本特集では、法学者のために現代経済・財政学の知を提供することを目的とし、各分野の第一線に立つ専門家に「いま」の論点を訊きました。財政は国の基礎です。よき未来へと続くたしかな礎をいかに築くか、共にお考えいただければ幸いです。
■第2特集では、第177回国会で成立した、刑法等の一部改正法を取り上げました。いわゆるサイバー犯罪、また強制執行妨害行為に対する罰則等を整備する本法について、当局解説にはじまり、実体法、手続法の各視点からご解説、ご検討をいただきました。社会的な実情への対応という趣旨に沿う運用が今後なされていくかどうか、適宜の見直し・法改正が今後も行われていくかどうか。これらを注視していくためにも、本特集をご一読ください。
【特集1】 ◇財政制度と法の関わり●中里 実……6
◇〔座談会〕日本財政のゆくえ●金子 宏●眞砂 靖●古谷一之●中里 実(司会)……14
◇一体改革の税制・財政の評価と課題●井堀利宏……36
◇震災復興に関する税制の対応●渡辺智之……43
◇財政と金融の連動――経済・金融・国債の見方●安田洋祐……50
【特集2】情報処理の高度化等に対処するための刑法等の改正 ◇法改正の経緯及び概要●吉田雅之……58
◇実体法の視点から●今井猛嘉……66
◇電磁的記録を含む証拠の収集・保全に向けた手続の整備●池田公博……78
[視点] 第3号被保険者制度をめぐる議論とこれから●永野仁美……2
[海外法律情報] ◇中国―刑事訴訟法改正の動き●岡村志嘉子……85
◇ドイツ―連邦議会において秩序を損なった議員への罰則の強化●渡邉斉志……105
[連載・信託法セミナー〔第13回〕] 受託者の義務(2)●能見善久●道垣内弘人(司会)●沖野眞已●藤田友敬●井上 聡●田中和明……88
[連載・刑事政策研究会]②犯罪予防 ◇[基調報告]犯罪予防の現状と課題●田村正博……108
◇[座談会]●佐伯仁志(司会)●太田達也●川出敏裕●金 光旭●田村正博(ゲスト)●山本俊哉(ゲスト)……117
[会社法判例速報] MBOと株主・投資家に対する取締役の責任――東京地判平成23・7・7●弥永真生……56
[租税判例速報] デラウェア州LPSが我が国の租税法上の「法人」に該当しないとした例――東京地判平成23・7・19●大澤麻里子……86
[知財判例速報] 進歩性判断における解決課題の認定――知財高判平成23・1・31●小泉直樹……106
[時の判例] ◇消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効となる場合/消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例――最一小判平成23・3・24●武藤貴明……143
◇新聞社が通信社からの配信に基づき自己の発行する新聞に記事を掲載するに当たり当該記事に摘示された事実を真実と信ずるについて相当の理由があるといえる場合――最一小判平成23・4・28●武藤貴明……146
[経済法判例研究会] 1日使い捨てコンタクトレンズ販売業者が取引先小売業者による広告での価格表示を禁止した事例――ジョンソン・エンド・ジョンソンに対する排除措置命令――公取委排除措置命令平成22・12・1●伊藤隆史……148
[商事判例研究] ◇生命保険契約における死亡保険金請求権への質権設定――東京高判平成22・11・25●井上健一……152
◇金商法違反行為(無登録業)の差止めが命じられた事例――東京地決平成22・11・26●野田耕志……155
[刑事判例研究] 各室玄関ドアの新聞受けに政治的意見を記載したビラを投かんする目的で公務員宿舎である集合住宅の敷地等に立ち入った行為と邸宅侵入罪――最二小判平成20・4・11●上嶌一高……159
[労働判例研究] 受注の激減等を理由にする整理解雇の意思表示と,労契法16条の適用の有無――甲府地決平成21・5・21●小西國友……164
[租税判例研究] 外国関連会社の額面発行株式の引き受けに伴う受贈益課税――東京地判平成22・3・5●辻 富久……168