20世紀の医療は,その中核をなす制度としての「〈病院〉の世紀」であった。そして,医療システムが「生活の質」に結びつけて評価され,地域社会に戻りつつある現在,その「病院の世紀」は終焉を迎え,日本はいま医療システムの1世紀ぶりの大きな変動期に入っている。 序 章 病院の世紀という構想について 第1章 病院の世紀の理論 第2章 所有原理型医療システムの原型――明治期日本における開業医の形成 第3章 専門医化する日本の医師――20世紀前半日本における医師のキャリア 第4章 医療の社会化運動の時代――20世紀前半日本における医師の地理的分布 第5章 開業医の経済的基盤と公共性――20世紀前半日本における開業医の病院経営 第6章 病院の世紀の終焉――健康戦略の転換の時代 第7章 治療のための病床――20世紀日本における病床の変遷 第8章 医局制度の形成とその変容 |
第17回(2010)社会政策学会奨励賞 |